2023年、東京都の一般財団法人GovTech東京が新たに始めた「都民ユーザーテスター事業」は、東京都民が直接参加し、行政サービスの質を高めることを目的とした革新的な取り組みです。この事業は、利用者の視点から意見や体験を集め、行政サービスをより使いやすくするための仕組みを整えています。
都民ユーザーテスター事業の概要
この事業は、行政サービスに関心のある都民を事前に登録し、サービスの各段階でのフィードバックを受けることで成り立っています。住民が実際に使うサービスを改善するため、彼らの意見が重要視されるのです。事業の初年度には、アクセシビリティに注目した調査を行い、その結果を早速行政の改善策に活用しています。
調査の重要性
本事業が目指すのは、行政が提供するサービスが「誰一人取り残されない」ものであるべきだという視点です。特に、障害のある方々にとって、行政サービスは時に使いづらさを伴うことがあります。従来のユーザーテストは、一案件ごとに人材募集や調査設計を行わなければならず、成長が遅かった状況を克服するため、継続的な住民参加を実現する仕組みとして本事業は立ち上がりました。
本事業の特徴
1.
登録制のフィードバック収集: 事業に登録済みの都民による意見を受けることで、迅速に改善案を取り入れられます。
2.
早期からの利用者参加: サービス企画の段階から住民の声を反映することで、迅速な仮説検証が可能となります。
3.
継続的なフィードバック: 開発や運用の段階でも、都民の意見を収集し続けることで、改善が期待できます。
4.
多様な評価: 複数の属性を持つ都民からの評価を通じて、アクセシビリティを向上させます。このように、利用者の声を常に取り入れ、サービスの質を高めることを目指しています。
アクセシビリティに関する調査結果
令和7年度の調査では、障害のある都民を対象にWebアンケートやインタビューが行われ、1,555件の回答が集まりました。定量調査では、96%の方がスマートフォンを利用していることが確認され、加えて「スマホと支援機能」の組み合わせが生活インフラであることが分かりました。
一方で、45%の方が多要素認証や本人確認手続きにおいて困難を感じているという結果が出ました。特に肢体不自由の方は、二段階認証を利用する際の難しさを強調していました。
また、定性調査では、障害のあるユーザーが「窓口に行かなくていい」「書かなくていい」デジタル化を望む声が多数寄せられ、行政手続きが身体的動作に依存している現実を訴えています。これに対し、オンライン化と多様な利用手段を考慮したサービス設計が求められることが明らかになりました。
サービス共同開発の未来
本事業は、都民がサービス改善に参加する『入口』でもあります。「みんなでつくる・みんなで使う・みんなで良くする」という意識が、行政サービスの質を向上させるためには不可欠です。今後、東京都や区市町村のサービスにおいて利用者の声が取り入れられるような取り組みを推進し、ユーザーリサーチやユーザーテストが日常的なプロセスとして定着していくことを目指しています。
引き続きGovTech東京は、住民の皆さんとの協力を重視し、安全で安心できる行政サービスを提供するために取り組んでいきます。
詳細な調査結果や関連情報は、GovTech東京の公式noteでご覧いただけます。