不正取引検知の新技術
2025-06-10 14:08:21

進化する不正取引検知技術、DeepProtectによる銀行の実証実験結果

銀行の不正口座検知における最前線



昨今、金融機関における不正取引の検出はますます重要な課題となっています。複雑化する金融犯罪手法に対応するため、テクノロジーの進化が求められている中、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は新たな手法を開発しました。今回、プライバシー保護連合学習技術「DeepProtect」を活用した不正口座検知の実証実験が行われ、顕著な成果が確認されました。

実証実験の目的と実施


この実証実験は、神戸大学やEAGLYS株式会社とともに、りそな銀行を含む複数の金融機関と連携して進行しました。目的は、銀行間でデータを共有することなく、不正口座を精度高く検知することです。特に、複数の銀行から得られたデータを基に、アンサンブル学習を適用することで、より高精度な不正口座検知を目指しました。

アンサンブル学習の導入


この実験で採用されたアンサンブル学習は、個別の銀行ごとに構築される従来のモデルとは異なり、複数のモデルを組み合わせることで検知精度の向上を図ります。研究チームは、各銀行の個別学習モデルと、銀行横断的な連合学習モデルを活用し、合計9つのモデルを使用しました。結果として、適合率が最大約10ポイント向上し、再現率は95%を超える高精度な検出が達成されました。

実験の意義と今後の展望


この実験の成果は、不正取引監視業務における実運用へ向けた可能性を示唆しています。特に、これまでのルールベースの監視やAIを用いた個別学習では見逃されていた「潜在的な不正口座」を特定できる可能性が顕在化しました。今後、金融機関は現行のAMLシステムと連携させながら、この新技術の導入を進めていく方針です。

参加機関の役割


このプロジェクトには、NICTが全体のマネジメントを担当し、技術提供を行っています。また、神戸大学は実証実験環境を構築し、EAGLYSは継続学習化や支援ツールの開発を行います。

このように、複数の機関が連携することで、金融機関における不正取引の監視がより効率的かつ精度の高いものへと進化しています。今後、さらなる技術の高度化と実用化に向けた取り組みが期待されます。


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情報通信研究機構 広報部
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