ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の現況
最近、パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社が実施した調査により、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の導入状況が明らかになりました。本調査では経営層や管理職を対象に、BPOの利用状況やその効果、今後の意向について深掘りされています。
調査の背景と目的
BPOは、企業が非コア業務を外部の専門業者に委託することで、自社の経営資源をコア業務に集中させ、効率化を図る手法です。調査は2024年8月16日から8月20日の間に行われ、対象はBPOの導入や見直しを考える経営層や管理職1,268名でした。
BPOの導入状況
調査結果によると、約20%の企業がBPOを導入しており、その目的としては「経営戦略の一環」との回答が53.7%に達しました。導入している企業の87名には満足度も高く、経営効率が向上したと92.5%が答え、今後も持続的に利用したいとの意向が8割以上にのぼっています。
BPOの導入効果
導入企業に挙げられた効果の一つ目は、経営効率の向上です。多くの企業がBPO導入により、自社のリソースをコア業務に集中できたと評価しています。さらに、業務プロセスの流動性を高め、固定費の抑制にも寄与しています。
BPO導入に伴う課題
一方で、BPO導入に際しての課題も浮き彫りになりました。特に、外部委託における業務の切り分けやプロセスの標準化が難しいと感じる企業が多いようです。未導入の981名にその理由を尋ねたところ、最も多い回答は「業務範囲の特定が難しい」で32.6%となり、次いで「業務プロセスの標準化が不十分」という意見が24.3%ありました。
シェアードサービスセンター(SSC)の動向
調査からは、シェアードサービスセンター(SSC)の導入状況も明らかになり、約30%の企業が導入しています。また、導入企業の約7割がBPO企業との連携を検討していることも分かりました。これにより、BPO市場は今後さらに拡大が期待されています。
経営戦略としてのBPO
東京経済大学の関口教授は、BPOは単なる業務の外注に留まらず、経営戦略の一環としての位置づけが重要であると指摘します。VUCA時代、BPOを通じた業務プロセスの改革は、柔軟かつ機敏な経営を実現する上で有力な手段となるでしょう。経営資源を効率的に活用し、競争力の強化を図る企業にとって、BPOはいよいよ重要な選択肢として浮き彫りになっています。
まとめ
調査結果からは、BPOの導入拡大とともにその効果への期待が高まっていることが示されました。しかしながら、導入に対する障壁も依然として存在するため、企業はテクノロジーを活用して業務プロセスの可視化や標準化を進める必要があるでしょう。今後のBPOの動向に注目が集まります。