2026年卒の新卒採用見通し分析
株式会社リクルートが実施した新卒採用見通し調査によれば、2026年卒の学生に対する企業の採用意欲は依然として高いものの、その増勢には鈍化が見られることが明らかになりました。調査は、全国の民間企業8,200社を対象に行われ、4,283社からの有効回答を得ました。これにより、新卒採用の現状や展望について詳細なデータが提供されました。
新卒採用の現状と変化
調査結果によると、2026年卒の新卒者の採用数が「増える」と答えた企業は13.2%でした。一方、「減る」と回答した企業は5.4%であり、「増える−減る」のポイントは+7.8%ポイントとなっています。この数値は、2025年卒の+10.8%ポイントから3.0%ポイントの減少を示しており、採用意欲に関する傾向に変化が見られることがわかります。
特に、企業の規模別に見ると、5〜99人の企業と5000人以上の企業では「増える−減る」のポイントが増加しているものの、それ以外の企業規模では減少傾向にあります。注目すべきは、5000人以上の大手企業では+18.0%ポイントから+24.2%ポイントへと6.2%ポイント増加している点です。このことから、大手企業の採用活動は依然として活発であると言えるでしょう。
業種別の採用見通し
業種別に観察すると、小売業での「増える−減る」のポイントは2025年卒の+14.2%ポイントから+15.4%ポイントへと増加しています。一方で、他の業種ではおおむね減少が見られるなど、業種によって採用活動の活発さには差があるようです。全体としては、「増える」が「減る」を上回る状況が続いていますが、これは採用意欲の高さを示す一因となっています。
採用計画の実施状況
2025年卒については、10月1日時点での新卒採用予定数の充足率は76.8%と、2024年卒の74.7%から2.1%ポイントの増加が見られました。しかし、この充足率は依然として高水準には達しておらず、計画通りに採用が進行していない様子が伺えます。
2025年卒の新卒採用における各施策の実施状況では、「労働時間、教育研修、離職率などの人事情報の開示」が69.4%、また「現場社員の面接や学生フォローへの協力」が66.9%と、多くの企業がこれらの施策を実施しています。特に、大手企業は施策の実施割合が高い傾向が見られ、実施内容と採用数の充足率にも強い関係性があることがわかります。
総括
リクルートの調査により、新卒採用環境がいかに変化しているかが浮き彫りになりました。2026年卒に向けての企業の採用意欲が高い一方で、一部の企業では採用数の減少を懸念する声もあります。今後のマーケット動向や経済状況が、新卒採用にどう影響していくのか、注視が必要です。詳細な調査報告書は、
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