ギャルリーためなが開廊40周年記念展:西洋絵画の至宝が銀座に集結
1970年、銀座に開廊した老舗画廊「ギャルリーためなが」。今年、40周年という節目を迎え、その歴史を彩る西洋絵画の名品を一堂に集めた記念展を開催します。
当時、日本の近代西洋美術への認知度はまだ低く、美術館における西洋絵画の所蔵も限られていました。そんな中、創業者である為永清司氏は、フランス政府の厳格な芸術保護政策を乗り越え、パリを代表する画商やコレクターとの深い繋がりを活かし、数々の名品を日本に紹介することに成功しました。
特に注目すべきは、エコール・ド・パリの作家たちの作品群です。人気作家の作品が欧米に集中する中、為永氏は、モディリアーニ、ヴァン・ドンゲン、キスリング、シャガール、スーチンといった、日本での知名度は高くなくても、将来名匠と呼ばれるであろう作家たちの質の高い作品に焦点を当てました。
その慧眼は、現在では国立西洋美術館にも作品が収蔵されていることからも証明されています。これらは、為永氏の並々ならぬ努力と、芸術に対する深い理解があったからこそ成しえた偉業と言えるでしょう。
ギャルリーためながの活動は、作品収集にとどまりません。1971年にはパリにも画廊を開設し、アイズピリ、コタボ、ギアマンといった、当時まだ評価が定まっていなかった新進気鋭の画家たちの育成にも力を入れてきました。現在、これらの作家たちは現代具象絵画の代表として活躍しており、ギャルリーためながの育成システムの成功を物語っています。
これらの功績が認められ、1984年にはフランス政府より芸術文化勲章(L'Ordre des Arts et des Lettres)を受章。その活動は、日仏芸術交流の発展にも大きく貢献しました。
40周年を迎えた現在も、ギャルリーためながは、欧米、アジアへと活動を拡大し、新鋭作家の紹介にも積極的に取り組んでいます。ロスチャイルド家をはじめ、世界中の著名なコレクターも魅了する作家たちの作品を扱うなど、現代絵画の発信地としての役割も担っています。
今回の記念展では、ピカソ、セザンヌ、マティス、シャガール、ルノワール、ヴァン・ドンゲン、デュフィ、ルオー、スーチン、ルドン、キスリング、ルソー、ローランサン、ドラン、ユトリロ、ヴラマンク、クレーなど、40点以上の貴重な作品が展示されます。春に増床リニューアルされた、美術館さながらの広々とした空間で、40年の歴史と新たなスタートを飾るにふさわしい、珠玉の名品の数々をご堪能ください。
開催概要
会期:11月27日(金)~12月26日(土)
時間:10:00~19:00
休廊日:日曜日、祝日
会場:ギャルリーためなが(東京都中央区銀座7-5-4)
* 問い合わせ先:株式会社ギャルリーためなが TEL:03-3573-5368 FAX:03-3573-5468
[email protected] www.tamenaga.com