新たに関東進出を果たす「崖っぷち米」
福井県坂井市の農家たちが手掛ける新しいブランド米「崖っぷち米」が、関東圏のスーパーマーケット「ベルク」で販売開始されることが決定した。この新米は、坂井市の美しい景勝地・東尋坊をイメージして名付けられたもので、地域の特性を活かした逸品である。
坂井市の米の実力
坂井市は、毎年12,000トン近くの米を出荷しており、福井県内での出荷量は常に1位または2位の座を争っている。特に九頭竜川水系の肥沃な土地で育てられる米は、その品質の高さで知られている。今年の新米約400トンが、直接関東圏に出荷されるというニュースは、地元の農家や消費者にとっても大きな関心を呼んでいる。
生産者とスーパーマーケットの直取引
坂井市担い手ネットワークの農家たちは、関東圏で150店舗を展開するベルクとの直接契約を結び、新しい取り組みをスタートさせた。この米の品種には、早稲品種の「つきあかり」が選ばれており、暑さに強く、コシヒカリと同等かそれ以上の食味があると言われている。実際に収穫された米は、94.1%が一等米という高品質だ。
情熱を注いだ共同開発
記者発表会では、坂井担い手ネットワークの若手メンバーたちが、食味の評価がどうなるのか非常に楽しみにしていることを語った。田中勇樹代表理事は、関東圏の消費者がこの米をどのように受け入れるのかを強く期待していると述べた。一方、ベルクの原島陽一郎専務も、昨年からの協議の中で坂井市の米の実力を理解し、全量が売り切れるとの自信を表明した。
パッケージデザインと販促施策
「崖っぷち米」という印象的な商品名は、担い手ネットワークとベルクの協議を経て決まったものである。パッケージには、東尋坊の写真がデザインされており、坂井市の観光名所も紹介されている。このデザインは、消費者が購入しながら坂井市への理解を深める手助けになることを目指している。
今後の展望
今回の新米「崖っぷち米」は、関東進出の第一歩として大きな意義を持つ。坂井市の池田禎孝市長も埼玉県へ出向き、販促活動を行う予定だ。また、ベルク側は今後、米以外にも地域で生産される野菜や水産品などの取り扱いも視野に入れている。これにより、坂井市産の農産物がさらに多くの人々に届くことが期待される。
2023年10月以降、本格的に流通が始まる「崖っぷち米」。福井の魅力を感じるこの新米が、消費者の舌と心をどのように掴むのか、今後の動向が待たれるところです。