環境に配慮した消火剤「OF1(ゼロフッソワン)フォーム310」
厳しい環境基準が求められる現代において、ヤマトプロテック株式会社が開発したゼロフッ素合成界面活性剤泡消火薬剤「OF1(ゼロフッソワン)フォーム310」が、総務大臣の型式承認を取得しました。この新しい消火薬剤は、環境への負荷を大幅に軽減しながらも、高い消火性能を維持しています。
開発の背景
PFAS(有機フッ素化合物)は、その耐久性から自然界に残りやすく、環境や生態系、さらには人体にも悪影響を及ぼすことが指摘されています。日本国内でも、PFASを含む消火剤への規制が強まる中、代替品の開発が急務となっています。ヤマトプロテックは、100年以上にわたる消火剤の開発の経験をもとに、完全にPFASを排除した次世代の泡消火薬剤「OF1」を完成させました。
設置の展開
今後は法令改正が進むことで、駐車場への泡消火設備に既存の機器を一部活用しつつ、「OF1」に切り替える方針が期待されています。ヤマトプロテックは、消火設備に必要な原液タンク、流水検知装置、感知用SPヘッド、フォームヘッド、一斉開放弁まで自社グループで一貫した生産体制を構築しており、これにより効率的な提供が可能です。また、特定駐車場向けの泡消火設備の製品化に向けても開発を進めています。
「OF1(ゼロフッソワン)フォーム310」の特徴
1.
環境優先
PFASを含まないため、環境への影響が最小限に抑えられています。これにより世界的な規制においても安心して使用可能です。
2.
高い消火性能
通常、PFASを使用しない消火剤はその性能が劣る傾向がありますが、「OF1」は従来の製品と同等の消火能力を誇ります。
3.
型式承認済み
本製品は、省令で規定される技術基準に適合していることが認められています。この承認により、より多くの現場で使用が容易になります。
グッドデザイン賞受賞
「OF1(ゼロフッソワン)フォーム310」は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2025年度グッドデザイン賞」を受賞しました。この受賞は、環境に優しい設計に加えて、高い消火能力が評価された結果です。
会社概要
ヤマトプロテック株式会社は、1918年に設立された歴史ある企業で、消火装置や火災警報装置、避難誘導装置など多岐にわたる事業を展開しています。本社は東京都港区の白金台に位置し、現在370名の従業員が勤務しています。また、グループ全体で約680名を擁し、売上高は353.8億円に上ります。
今後、ヤマトプロテックの「OF1」がどのように実際の現場で活用されるのか、ますます注目が集まります。私たちはこの新しい消火薬剤によって、より安全で持続可能な未来が実現されることを期待しています。