11月1日(土)、松崎史也主宰のCasual Meets Shakespeareシリーズの最新作『ヴェニスの商人 CS』が東京・IMA HALLにて開幕しました。本作は、シェイクスピアの名作を現代に蘇らせるそのユニークな試みとして注目されています。
このシリーズの特徴は「普段着でシェイクスピア」というコンセプトの下、シェイクスピアの作品を難解性から解放し、より多くの観客に楽しんでもらえるように脚色している点です。今回の『ヴェニスの商人 CS』では、悲劇と喜劇の二つの側面を巧みに取り入れて演じられ、S(シリアス)とC(コメディ)の二つのバージョンで提供されます。
物語の舞台は16世紀の中世イタリア、商人アントーニオが親友バサーニオの結婚資金を調達するため、悪名高い高利貸しシャイロックからお金を借りるところから始まります。ところが、アントーニオは商業上の失敗から金を返せなくなり、シャイロックの厳しい要求が課されることになるというサスペンスフルな展開が待っています。
キャストには、コメディバージョンではウチクリ内倉、鯨井康介、中村太郎、茜屋日海夏などの個性豊かな俳優陣が名を連ねています。一方、シリアスバージョンでは田口涼や北村健人、松井勇歩などが重厚な演技で本作を彩ります。観客は二つの異なる解釈を通じて、同じ物語の異なる深さを体感することができます。
初日を迎えた松崎監督は、演劇は日常生活の中で理不尽な状況を乗り越える力を与え、その中で喜劇が持つポジティブなメッセージを伝えることを目指していると語っています。「ヴェニスの商人 CS」はコミカルな側面とシリアスな部分の両方を表現し、現実と虚構が相互に支え合う関係を描くことを目指しているのです。
また、11月7日(金)にはCとSのキャストをシャッフルした特別公演も予定されています。公演の最終日である11月9日(日)はコメディとシリアス両バージョンの生配信が行われ、遠方のファンにも楽しんでもらえる機会となります。さらに11月6日(木)と11月8日(土)の一部公演では、バリアフリー字幕タブレットの貸出や手話通訳も行われ、幅広い観客への配慮がなされています。
このように『ヴェニスの商人 CS』は、両方のバージョンを通じて多様な観客に向けた魅力的な体験を提供しています。シェイクスピアの世界が新しい形で展開される中、観客はどのように物語が解釈され、演じられるのかを目の当たりにすることができるでしょう。詳細は公式サイトで確認できるので、ぜひ訪れてみてください。
【公演概要】
- - 日程:2025年11月1日(土)〜11月9日(日)
- - 会場:IMA HALL(東京都練馬区光が丘5-1-1)
- - チケット情報や鑑賞サポートについては、公式サイトをご覧ください。
- - 公式サイト:https://casual-meets-shakespeare.com/venice/
- - 公式X : @CMSstage