日本企業のブロックチェーン導入実態
近年、ブロックチェーン技術は世界中で注目を集めています。特に、企業のビジネスモデルを根本から変革するポテンシャルがあると言われており、多くの国でその導入が進められています。しかし、日本国内ではその普及状況について具体的なデータは少なかったため、CryptoPieは国内企業の動向を探るための調査を実施しました。この調査結果が、今後のブロックチェーン技術導入における参考になることを期待しています。
調査の背景
調査は2020年3月8日から4月30日にかけて行われ、対象企業は全体で125社です。調査の対象企業の中には、年間売上高1億円以下の企業が25%を占める一方、100億円以上の企業が45%を占めていました。この調査により、ブロックチェーン技術の導入意向や現在の状況について、広範囲な視点からデータを収集しました。
調査結果の概要
調査の結果、57.1%の企業が「ブロックチェーン技術を何らかの形で導入することを検討している」と回答しています。一方で、23.8%の企業はすでに導入済みか、実証実験を行っていると報告しています。その一方で、28.6%の企業は社内でブロックチェーンが話題に上らないと回答し、この点が普及の足かせとなっていることが伺えます。
また、「導入を検討しているが、収益化に不安がある」という声も多く、42.8%の企業が導入を「わからない、もしくはしない」と答えています。中でも、33%はブロックチェーンの導入による収益が見込めないという理由から判断を保留しているとのことです。
国内の普及状況
調査によると、国内のブロックチェーン技術の普及状況について、52.4%の回答者が「国内ではあまり普及していない」と感じていることが明らかになりました。さらに、「全く普及していない」との意見も14.3%に上り、国内の利用状況が海外に比べて遅れているという印象を与えています。しかし、3年前と比較すると、ブロックチェーンという言葉を頻繁に耳にするようになったと答えた割合が95.5%に達しており、業界における認知度は確実に向上していると言えるでしょう。
今後の展望
CryptPieの調査結果は、日本におけるブロックチェーン技術の導入に対する期待と現実のギャップを浮き彫りにしました。収益化の見込みが立たないため、導入に踏み切れない企業も多い中、今後は成功事例の共有や、実験的導入を助ける支援がますます重要となることでしょう。この調査が、多くの企業にとって有益な情報となることを願っています。ブロックチェーン技術が日本のビジネスの未来をどのように変えていくのか、今後の動向に注目です。
参考リンク