NTNが開発した新たなバイオプリンティング技術
NTN株式会社が、新しいバイオプリンティング技術を発表しました。この技術は、iPS心筋細胞を実験用プレート上に効率よく配置することを実現し、創薬実験のプロセスを革新します。従来の手動による細胞配置から脱却し、自動化を進めることで、細胞使用量を約80%削減し、コスト面でも大きな貢献が期待されます。
微細塗布装置とは?
新たな「微細塗布装置」は、針の先端に極微量の液剤を付着させ、約0.1秒で精度±15µm以内で指定した位置に配置できる高性能装置です。この装置は、自動車部品や半導体産業での長年の実績を元に、ライフサイエンス分野への応用を目指しています。
創薬分野への貢献
NTNは、この技術を使用してiPS心筋細胞の自動配置を成功させました。この成果には、大阪大学大学院と共同研究の成果も含まれており、定位置・適量配置を実現することで、創薬実験の再現性を向上させています。
従来の試験では、作業者による配置のばらつきが問題でしたが、今回の技術による自動化でこの課題が解決され、より信頼性の高い実験結果が得られるようになりました。
実験への適用例
具体的な実験例として、多電極アレイと呼ばれるプレートにおけるiPS心筋細胞の配置が挙げられます。この方法により、心筋細胞の電気的活動(拍動)を正確に測定することが可能となり、病気の治療や新薬の開発に寄与しています。また、マルチウェルプレートを利用した薬剤評価実験でも、高密度で高速な細胞配置を実現し、効果的な薬剤評価が行えるようになりました。
技術の利点
「微細塗布装置」を導入することで、以下のような利点があります。
1.
定位置・適量配置: センサーに狙った位置に細胞を正確に配置することで、実験の正確性が向上。
2.
効率化と再現性: 人手作業からの自動化により、効率的で再現性の高い実験が可能に。
3.
細胞の無駄を削減: 必要な細胞量だけを使用することで、コスト削減に繋がります。
NTNのさらなる展望
NTNは、バイオプリンティング技術を用いて再生医療の分野にも積極的に取り組んでいます。また、ライフサイエンスを含む新たな研究領域の拡充も目指しており、2024年には新たな開発部門を設立し、持続可能な社会の実現に向けた努力を続けています。これにより、社会のさまざまな課題に対応することを目指しているのです。
NTNの技術革新が創薬の未来をどう変えるのか、今後の展開が期待されます。