アートで量子を表現
2025-05-20 18:22:21

量子テクノロジーの可能性を示すアート作品「Coexist」の発表

量子の世界を探るアート作品「Coexist」の誕生



オランダのデルフトに拠点を置く学生チーム「Emergence Delft」は、2025年5月22日に大阪で開催される関西万博において、革新的なアート作品「Coexist」を発表します。この作品は、量子テクノロジーとアートの融合を目指し、一般の人々に量子の世界を体験してもらうためのものです。

「Coexist」は、オランダのウィレム=アレクサンダー国王を歓迎する中、ヒルトン大阪での展示が予定されており、国王やディルク・ベルヤールツ経済大臣、ライネッテ・クレーバー外国貿易・開発協力大臣も鑑賞に訪れることになります。この作品は、インタラクティブな要素を取り入れた設計となっており、観客は量子テクノロジーを視覚的に体感できるようになっています。

量子テクノロジーの重要性



量子テクノロジーは、1990年代のインターネットの登場に匹敵するほどのインパクトを持つと考えられています。特に、量子コンピュータは現在のスーパーコンピュータでは解決困難な問題に取り組む能力があり、創薬、持続可能な新素材の設計、AIの高度化に寄与します。量子テクノロジーの経済的価値は、2035年までに年間最大2兆ドル(約290兆円)に達するという予測もあります。

このように、ますます重要性が増す量子技術を理解することは、我々にとって急務です。一般市民がこの技術に利用し、自ら考え、討論できる場を設けることが求められています。「Coexist」は、その認知を深めるための挑戦的なアプローチです。

アートで示す新たな視点



「Coexist」では、量子の原理である「重ね合わせ」を社会的な課題に関連付けています。複数の状態が同時に存在するという量子の特性と、異なる視点が交わる社会の現実との類似性が表現されています。この作品は、誰もが自身のバックグラウンドにかかわらず、量子テクノロジーに関する議論に参加できるユニークなプラットフォームを提供します。

Emergence Delftの広報を担当するリクスト・バウマン氏は、「『Coexist』が量子の原理を通じて、社会の複雑な問題を理解し乗り越える手助けになれば嬉しい」とコメントしています。アートが思考を促進し、自らの視点を超えた考察が生まれることを願っているのです。

国家プログラムの支援を受けて



このプロジェクトは、オランダの量子技術を促進する「Quantum Delta NL」の支援を受けています。フィリップ・ブイヤー理事は、「Emergence Delftの学生が、量子技術を広くわかりやすく紹介していることは非常に価値のあることです。アートが科学的な概念を伝えるうえで重要な役割を果たしていることを実感しています」と語っています。

Emergence Delftとは



Emergence Delftは、デルフト工科大学やハーグ王立美術学院の学生で構成された学際的チームであり、アートとテクノロジーを結びつけるインタラクティブな作品の創作に取り組んでいます。彼らの目標は、技術の役割を考えさせ、社会における技術の意義を問いかけることです。

Quantum Delta NLについて



Quantum Delta NLは、オランダを量子技術の先進国にするための国家プログラムです。国内外の研究機関や企業をつなぎ、量子コンピュータや関連技術の開発を促進しています。エコシステムの構築に向けた研究や人材育成にも取り組み、オランダの国際競争力を高めています。

「Coexist」は、アートを通じて量子テクノロジーの魅力を一般の人々に届ける試みであり、未来の技術に対する理解を深めるための貴重な一歩です。


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会社情報

会社名
Stichting Quantum Delta NL
住所
Elektronicaweg 10, 2628 XG Delft, The Netherlands
電話番号

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