伊藤手帳株式会社が手掛ける新商品「パッチワーク日記」が、名古屋市立大学での完成品発表会を迎えました。2023年10月9日、名古屋市立大学で行われたこの発表会では、提案者である学生たちが自ら商品の開発経緯や特徴を紹介し、参加者との質疑応答を通じてその魅力を伝えました。
「パッチワーク日記」は、名古屋市立大学のスケジュールサムライチームが提案した商品で、感情の大小を水玉模様の丸い枠で示すという独自のスタイルが特徴です。大学ゼミ対抗のインターカレッジSカレでのコンペティションでの発表を経て、優勝は逃したものの、その斬新なコンセプトが評価され、商品化が決定しました。
この手帳の特徴は、日々の感情を自由に記録できる点です。水玉のモデルを用いることで、一日の感情を視覚的に表現し、整理しやすくなっています。また、日記を記入することで心の整理を促進し、質の高い睡眠へと繋げることを目指しています。
発表会では、スケジュールサムライチームが開発の経緯を説明し、商品を初めて開封してお披露目する「開封の儀」を行いました。この瞬間は、考案者にとって特別なものであり、数ヶ月間の努力が実を結んだ瞬間でもありました。
参加者は、考案者や製造元への質疑応答の時間を設け、実際の使用体験について意見を交流しました。特に、感情を整理する手帳という新しい形の提案は、聴衆にとっても新鮮で、今後の可能性を感じさせるものでした。
「パッチワーク日記」という名称は、異なる柄や色の布を組み合わせて一つの作品に仕上げる技法を基にしています。日記のページを埋める過程がまるでパッチワークのようであるため、学生たちはこの名前を考案しました。感情の断片を繋げて表現するというコンセプトは、もはや一つの芸術作品とも言えるでしょう。
このプロジェクトは、名古屋市立大学経済学部のゼミによるものですが、企業のDX化が進む中で「紙離れ」が進む懸念を持つ中で、学生たちのアイデアを形にすることで、紙の価値を再確認する取り組みでもあります。伊藤手帳株式会社の代表取締役社長である伊藤亮仁氏は、企業が地域の大学生と共同で新たな商品開発を行う重要性を強調しました。
10月25日には、伊藤手帳のECサイト「ユメキロック」で新商品として販売を開始します。販売価格は1,870円(税込み)で、若い世代に向けて新しいライフスタイルの提案を期待されています。商品化を果たした「パッチワーク日記」を手にすることで、多くの人々が自らの感情を整理し、より良い日々を送るきっかけとなることが願われています。名古屋市立大学経済学部は、今後も地域のニーズに応じた教育と研究を推進し続けることを目指しています。