アートで響き合わせるいのちのメッセージ
2025年10月11日、大阪・関西万博会場で「いのち会議」の記念すべき発表が行われた。ここでは「いのち宣言」及びその具体的なアクションプラン集が明らかにされた。その中でも、「アートを通していのちを感じ、心の底からの慈しむ気持ちを呼び起こそう」という活動が特に注目を集めている。
この取り組みは、「いのちを感じる」ための重要な一歩であり、私たちの周囲にあるすべてを宇宙からの贈り物として感謝する心を育むものである。空気や光、水などの自然の要素が私達に生命の力を与えていることに気付くと、感謝の念が自然に湧き上がる。いのちは目には見えないつながりによって、私たちを支え合う存在であることを再認識する機会を提供する。
いのちへのアプローチ
一般社団法人Feel&Senseは、アートを通じて我々の「いのち」の感覚を深めることを目指している。2018年から活動を開始し、科学館や美術館、プラネタリウムなど様々な場所で「LIFEⓇいのち~うまれることを再体験~」というアート映像作品を展示してきた。これにより、観客は共通の感動体験を得ることができ、世代を超えていのちについての理解を深める機会を提供している。
特に、2025年大阪・関西万博では、「LIFEⓇいのち with スーパーキッズ・オーケストラ」という特別プログラムが開催され、宇宙空間の映像を背景に、演奏者たちが織りなす音楽とともに、観客全体がいのちの軌跡をたどる経験をした。このイベントには約6000名が参加し、いのちのメッセージが会場全体に響き渡った。
未来へつなぐプロジェクト
フィナーレでは、「いのち会議」のテーマソング「いのち/ INOCHI」が演奏され、約200名の参加者が一緒に歌った。特に参加した子供たちの中には、難病を抱える子や不登校の子供たちもいたが、こうした違いを超えて、いのちの響き合いと未来への希望を共に分かち合う貴重な時間となった。
このような実績をもとに、Feel&Senseは2030年のサウジアラビア・リヤド万博への参加を計画している。また、2025年万博での映像作品「LIFEⓇいのち」と楽曲「いのち/ INOCHI」を融合させた「INOCHI WORLD PROJECT」を立ち上げる予定で、さらに別々に参加者自身の心の声を尊重し確認することを目指している。
このプロジェクトの核となるプログラムは、「いのちのオーケストラ」と「いのちの合唱団」である。オーケストラは、映像と演奏を融合させたライブ公演によって、参加者がいのちのみなもとにつながる機会を創出し、合唱団はメンバー同士で心の声を分かち合うことで、互いの存在の大切さを実感し合う。
いのちの響きが生み出す未来
このように、いのち会議はアートを通じた感動体験を創出し、共感の輪を広げていくことを目指している。いのちの響きは、ただの音楽や歌声にとどまらず、聴く人の心に深く届き、未来の希望となるだろう。私たち一人ひとりの行動が互いを尊重し合い、この星を大切にする社会の実現に向けて、進んでいくことを期待したい。