エル・ファーシルの悲劇
2025-08-28 15:19:20

スーダン・エル・ファーシルの子どもたちが直面する悲劇と人道支援の必要性

エル・ファーシルにおける困難な状況



スーダン北ダルフール州のエル・ファーシル市は、500日以上にわたる包囲状態が続いています。この地域の子どもたちは、栄養不良や疾病、暴力によって毎日命が奪われる危機に直面しています。国連児童基金(ユニセフ)は、これらの事態を受けて支援を求め、特に子どもたちへのアクセスを妨げないように訴えています。

避難を余儀なくされる人々



最近の数ヶ月で、エル・ファーシルやその周辺のキャンプからは約60万人が避難を強いられ、その中には多くの子どもが含まれています。市内では、26万人以上の民間人が支援から遮断され、絶望的な状況に置かれています。ユニセフの事務局長、キャサリン・ラッセル氏は、「私たちはとてつもない悲劇を目の当たりにしている」と述べ、この状況を深刻に受け止めています。

直面する緊急の課題



2024年4月以降、エル・ファーシルでの重大な権利侵害は1,100件以上に達しました。子どもたちの命が脅かされ、多くが自宅や避難民キャンプ、市場で襲撃される中、23人以上が性的暴力の被害に遭う事例も報告されています。この状況は、アクセスの制限があるため、実際にはもっと多くの子どもたちが影響を受けていると考えられています。

人道支援の必要性



エル・ファーシルの即応支援部隊による包囲により、物資の輸送が完全に断たれており、医療や栄養支援が枯渇している状態です。推定6,000人の子どもが急性栄養不良に苦しんでおり、治療なしでは生存の危機にさらされています。この状況を受けて、ユニセフは戦闘の一時停止を含め、持続的な人道支援を求めています。

虐待と攻撃の現状



公立病院や教育施設に対する攻撃が続いており、特にサウジ産科病院では何度も襲撃されました。このため、多くの子どもたちが必要な医療サービスを受けられなくなっています。これにより、エル・ファーシルにある治療センターも砲撃により破壊され、栄養不良の治療を受けられなくなった子どもたちが多数います。

地域全体に広がる危機



7月には、エル・ファーシルから避難した住民を受け入れている地域で、急性栄養不良の割合が過去最高の34.2%に達しました。これは、2023年4月にスーダンで戦争が始まって以来の深刻な状況です。また、スーダンでは最悪のコレラ集団感染も広がっており、飢餓による影響で弱っている子どもたちが脆弱な状態で感染症にもさらされています。

ユニセフの活動と呼びかけ



ユニセフは、スーダン政府や関係するすべての当事者に対し、全ての子どもに対する持続的かつ妨げられないアクセスの確保を求めています。特に急迫する栄養治療食、医薬品、清潔な水を届けるための人道的アクセスは不可欠です。国際人道法に基づき、子どもを含む民間人の保護も重要です。
ユニセフは今後もさらなる支援を必要としています。国際社会の協力を得て、多くの子どもたちに必要な支援が届くことを願っています。


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会社情報

会社名
公益財団法人日本ユニセフ協会
住所
東京都港区高輪4-6-12ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016

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