画期的な高速道路改良工法が誕生
鹿島建設株式会社(社長:天野裕正)は、NEXCO中日本(社長:縄田正)と共同で開発した超高性能繊維補強セメント系複合材料(UHPFRC)を使用し、国内初となる高速道路の大規模改良工事を、通行止めを行わずに実施しました。この手法により、老朽化した道路橋床版の性能を維持しつつ、新たな材料による改修をスムーズに行うことができるようになりました。
UHPFRC活用の背景
岡谷高架橋はプレストレストコンクリート箱桁橋であり、これまでのリニューアル手法では、床版全体を撤去する必要があり、その際には下部構造の補強が必要になるなどの課題がありました。これに対処するため、鹿島は2020年にNEXCO中日本と共同で、SFRCの代替となる新たな工法を開発。UHPFRCを利用することで、床版の厚みを変えることなく、耐荷力や塩害に対する抵抗性を向上させることが可能となったのです。
新工法の施工手順
本工法の施工は、まず劣化した既設コンクリートの深さ30mmをウォータージェットで除去します。これにより、施工面がクリーンな状態になります。その後、専用の施工機械を用いてUHPFRCを高い精度で施工します。具体的には、場外で製造したUHPFRCを自走式運搬機械で現場に運搬し、接着剤を全面に塗布します。次に、専用フィニッシャーを用いてUHPFRCを打ち込み、仕上げ作業を行います。これらの手順を待機時間を最小限に抑えつつ、約8時間で128メートルの施工が完了しました。
実施された工事の意義
新しい改良工法によって、道路の通行を維持しながら大規模な修繕を行うことが可能となり、多くのドライバーへの影響を緩和します。UHPFRCの特性により、耐久性や強度特性を大幅に向上させることが出来たことで、今後の高速道路におけるリニューアルの可能性が大きく広がることが期待されています。
今後の展開
本工事は2024年まで続く予定で、UHPFRCを使用した床版リニューアル工事は、今後も全国の高速道路で展開される見通しです。鹿島は引き続き、効果的な施工技術を研究・開発し、高速道路の安全性と快適性を高めていくとのことです。
工事概要
- - 工事名:長野自動車道(特定更新等)岡谷高架橋改良工事
- - 工事場所:長野県岡谷市川岸東~成田町
- - 発注者:中日本高速道路株式会社
- - 施工者:鹿島建設株式会社・株式会社富士ピー・エス特定建設工事共同企業体
- - 工期:2022年11月~2029年10月
今回の取り組みにより、安全で効率的な道路管理が進むことが期待されます。また、UHPFRCの技術は、まさに未来の建設資材として注目されるべき存在です。