東横インが提供する新たな医療インフラ
株式会社プロセントが手掛ける「Mimipo for Travel」は、訪日外国人向けのオンライン診療サービスであり、2025年からは客室から直接受診が可能となります。今回、株式会社東横インが運営する大阪の5店舗にこのサービスを導入し、訪日外国人客に対して、いつでもどこでも診療を受けられる環境が整いました。
現状の医療現場の課題
最近、日本への訪問者数は急増しており、2024年には3686万人以上の訪日客が予想されています。しかし、医療における多言語対応は未だに課題を抱えています。調査結果によれば、86%の病院が日本語のみの案内を行い、多言語表示があるのはわずか14%でした。この多言語対応の不足は、外国人にとって身近な医療を受ける際の障害となっているのです。
たとえば、観光中に体調を崩した際、言語の壁があるために適切な医療を受けられないことも。また、夜間の診療が難しい地域も多く、外国人旅行者は医療機関を探すことが容易ではありません。このため、ホテルには様々なサポートが求められています。
Mimipo for Travelの特長
Mimipo for Travelは、256言語に対応したオンライン診療サービスを通じて、これらの課題の解決を目指しています。患者は、主に客室から24時間365日アクセスでき、自分の言語で専門の医療通訳と共に医師と相談することが可能です。
- - 医療通訳のサポート: 患者の症状を正確に通訳し、治療に関する説明を丁寧に行います。
- - 最寄りの薬局への案内: 診療後は、患者の位置に基づき最も適した薬局を手配し、処方薬の受け取りをサポートします。
- - 一貫したアフターフォロー: 必要に応じて、医療機関の紹介や書類作成のサポートを行います。
この流れにより、医療環境へのアクセスが格段に向上することで、訪日外国人の安心感が得られるのです。
具体的な利用例
実際の利用シナリオとして、30代アメリカ人男性が高血圧の常備薬を日本で紛失した際、客室からオンライン診療を受け、代替薬を当日に薬局で受け取ることができたケースがあります。また、10代の中国人女性がインフルエンザで医療機関を訪れた際も、体調に応じた適切な治療を受け、検査結果も迅速に得られました。こうした事例は、Mimipo for Travelの利便性と効果を示しています。
宿泊施設のメリット
ホテル側にとっても、このサービスは大きな利点があります。まず、医療関連の問い合わせを外部に委託することで、フロント業務の効率化が図れます。さらに、顧客が安心して過ごせる環境を提供できるため、宿泊者の満足度向上にも寄与します。
- - QRコードの活用: 館内や客室に設置されたQRコードを通じ、簡単に予約や診療にアクセスできる仕組みも整えられています。
結論
このように、Mimipo for Travelの導入により、訪日外国人の医療のニーズに応える環境が整いました。健康に気を配りながら日本を楽しむことができる新たなライフラインとも言えるこのサービスが、今後どのように展開していくのか、期待が高まります。旅行者の健康管理に寄与するこのシステムは、観光業界全体にとっても重要な要素となるでしょう。旅行者は安心して日本を訪れ、より良い経験ができるようになります。