スモール・ラグジュアリー・ホテルズのサステナビリティ基準が新たに制定されます

スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド、サステナビリティの新基準を発表

スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド（SLH）は2023年、35周年を迎えるにあたり、持続可能性へのコミットメントをさらに強化することを発表しました。今年発表された「Call-to-Action（CTA）レポート」では、2027年までに全加盟ホテルが遵守すべき「10のサステナビリティ基準」が示され、業界のサステナビリティ分野でのリーダーシップを強調しています。

環境に優しい運営の重要性

SLHは、650軒を超える独立系ラグジュアリーブティックホテルの集まりであり、加盟ホテルが持続可能な運営を行うためのガイドラインを整備しています。新基準には、水およびエネルギーの効率化、DEAI（多様性・公平性・包括性・帰属意識）、地産地消の推進など、環境に配慮したホテル運営に不可欠な要素が盛り込まれています。

この新基準の制定は、SLHがエコに配慮した「小規模で地域や文化に優しい滞在」を推奨してきた流れの一環であり、これにより加盟ホテル間での良い実践例を共有し、さらに多くのホテルが持続可能な運営に参加することを目指しています。

ホテルの実績と取り組み

過去1年間で、「Considerate Collection（思いやりのあるコレクション）」として新たに加わった24ホテルは、環境への配慮がなされた運営を実践しています。たとえば、コスタリカにある「リオパーディド」というバンガローでは、再生可能エネルギーを利用し、CO₂の排出を抑えつつ地域のエコシステムとの調和を図っています。このホテルの取り組みは、過去12年間での約50万本の植樹や再森林化に繋がっており、持続可能性の実現に寄与しています。

他にも、スイスの「ヴァルサナ・ホテル・アローザ」は完全にカーボンニュートラルで、プラスチックフリーを推進。一方、ドイツの「ブライデンバッハー・ホーフ」は地域調達を重視し、独自の地元食材を使用した料理を提供しています。

ラグジュアリーブティックホテルの新たな道

SLHは、この新しい基準に基づいてサステナビリティを推進し、旅行者が目的意識を持って世界を探索することを後押ししています。同社の最高執行責任者リチャード・ハイドは、「この報告は、SLHが長年にわたって掲げてきた持続可能性への約束を示しています」と述べています。

莱ウが提唱する「10のサステナビリティ基準」は、2025年から導入され、2027年までに全ホテルがこれを遵守する予定です。これにより、SLHはさらに持続可能な運営を実現するためのロードマップを示し、業界全体の指標となることを目指します。

未来へ向けての取り組み

今後もSLHは、地域文化や環境を尊重し、「人々と地球のためにより良い選択をしたい」という真摯な姿勢を持って、新たな挑戦に努めていくことでしょう。また、持続可能なホスピタリティの推進に向けた取り組みは、加盟ホテルそれぞれが独自に実践するケーススタディや成功事例の共有によって支えられています。これにより、より多くのホテルが持続可能な選択を実現し、観光業界全体の革新に繋がることを期待しています。

SLHの詳細および加盟ホテルの予約は、公式ウェブサイトにて確認できます。世界に広がるスモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールドの取り組みに注目が集まっており、これからの旅行スタイルに大きな影響を与えることでしょう。