LIBリサイクル情報化
2024-10-30 14:08:00

サトーとエンビプロ、リチウムイオン電池リサイクルの情報化に挑む

サトーとエンビプロが取り組むリサイクルの新たな試み



2023年10月28日、株式会社サトーと株式会社エンビプロ・ホールディングスは、使用済みリチウムイオン電池(LIB)のリサイクル過程をデジタル化し、その情報をトレースする実証実験を開始することを発表しました。リサイクル過程のモニタリングが進む中で、今後のリサイクル資源の管理や事故防止につながることが期待されています。

背景と現状の課題



リチウムイオン電池は、身近な製品から産業機器に至るまで、非常に多くの用途で使用されています。しかし、その普及と共に廃棄される量も増加しています。特に、リチウムやニッケル、コバルトといったレアメタルの供給が将来的に低下する恐れがあるため、使用済みのLIBの効率的な回収と再資源化は重要な社会的課題となっています。

近年、使用済みLIBが輸送中や廃棄物処理の過程で発熱や発火による火災事故が相次いでいます。これに対して、サトーとエンビプロは、回収から処理に至るまでの温度や衝撃のデータを continuoに取得し、事故を防ぐ取り組みも行う意向です。

PoCの概要



実証実験の一環で、エンビプロのグループ企業である株式会社VOLTAがLIBの収集と処理を担当し、サトーのRFID温度ロガータグ「LogBiz-Thermo」を活用してデジタル情報を取り込みます。取得したデータはクラウドにアップロードされ、エンビプロの株式会社ブライトイノベーションが開発するトレーサビリティ管理システム「TraceView」に蓄積されます。このシステムでは、使用済みLIBの回収量や処理工程の履歴を追跡することが可能になります。

具体的には、使用済みLIBが格納されたドラム缶にRFIDタグと衝撃データロガーを取り付け、出荷後は状態をモニタリング。このデータを基にしてリサイクルの過程を可視化し、最終的にはウラノス・エコシステムへのデータ連携も視野に入れています。

環境への配慮



リサイクル過程のデジタル化だけでなく、CO₂の排出量もリアルタイムで把握し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環として徹底した管理が行われます。これにより、リサイクル資源の回収と処理の効率性を向上させることが可能となり、流通過程での透明性を確保できます。

サトーとエンビプロの協力体制



両社は、ライフサイクル全体での持続可能な資源の管理を目指し、技術と情報を融合することで新たな業界標準を作り出す予定です。サトーは、自動認識技術を利用して、 LIBの運搬から処理までの情報を一元管理。エンビプロは、廃棄物の再資源化を専門に行い、リサイクルのプロセスを深化させる役割を果たします。

今回の取り組みが成功すれば、リチウムイオン電池のリサイクルにおける新たなスタンダードが確立され、今後の環境問題への対策として大きな成果をもたらすことでしょう。今後も両社の進展に注目です。


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会社情報

会社名
サトーホールディングス株式会社
住所
東京都港区芝浦3-1-1msb Tamachi 田町ステーションタワーN
電話番号
03-6628-2400

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