蓮井幹生個展「十七の海の肖像」レポート
現在、福岡市のYUGEN Gallery FUKUOKAで開催されている個展「十七の海の肖像」は、蓮井幹生によるもので、日本国内の原子力発電所をテーマにした作品が展示されています。この個展は、8月23日に行われたスペシャルトークイベントとともに注目を集めました。
トークイベントの概要
本展覧会の初日には、写真家・喜多村みか氏をゲストとして招き、両者による対談が行われました。このトークイベントは、アートと社会問題という重要なテーマを扱い、特に「原発」という言葉から広がる自然と文明の関係性について深掘りされました。
この日、蓮井氏は「海は見えないものが映る」との言葉を発し、作品の背後にある意味を語りました。彼の作品は、社会における問題を一見穏やかな海景の中に映し出しているのです。「写真は過去を記録するだけではなく、未来を映す力を持つ」という考え方は、参加者たちにも新たなインスピレーションを与えました。
一方、喜多村氏も被爆地での取材経験を踏まえて、真実を作品として提示することの重要性について自身の思いを伝えました。このような対談を通じて、観客は写真の社会的な意義やアートが持つ力を再認識する時を共有できたのです。
質疑応答の時間
トークセッション後には、来場者からの質問が寄せられ、この機会を活かした質疑応答が行われました。二人は作品への質問に丁寧に答え、参加者たちにとって、作品の奥深さやメッセージを考える貴重な時間となりました。
良質な写真の存在
今回の対談は、写真が持つ静かなる力と、「見えないもの」を如何に写し取るかというテーマについての再考へとつなげるものでした。蓮井氏は、この作品を通じて新たな視点や感覚を提供し、観客と作品の関係を再構築することを目指しています。
所々に哲学的な視点を含みつつ、非常に実践的な内容が盛り込まれた対談は、参加者にとって新鮮な視点でアートに触れるきっかけとなったことでしょう。
展示概要
展覧会は、2025年9月15日(月・祝)まで開催されています。開館時間は11時から19時まで。最終日のみ17時終了となりますので、訪問予定の方はご注意ください。入場は無料で、詳細についてはギャラリーの公式Instagramで最新情報を確認することができます。
この貴重な機会をお見逃しなく!