サステナブルな未来を訴える「かぐや姫」が万博で展示されました

サンコールが未来を思い描く「かぐや姫」

大阪・関西万博の関西パビリオン京都ゾーンで、サンコール株式会社の展示「かぐや姫」が話題を集めています。8月4日に公開されたこのフィギュアは、古典的な物語からインスパイアを受けたデザインで、主に竹素材で構成されています。「いのち輝く未来のかぐや姫」というテーマのもと、サステナビリティへの強いメッセージが込められています。

竹で創り上げる美の形

展示された「かぐや姫フィギュア」は、全高40cmの1/4スケールで、高い完成度を誇っています。漆黒の着物をまとった姫は、長い黒髪を流し、まるで平安時代に生きたかのような美しさを表現。全ての部位が竹という素材を使用しており、製造過程には京都の竹炭や新素材がふんだんに盛り込まれています。これにより、古くから愛されている竹の美しさと環境を守る意義を再定義したアート作品として生まれました。

かぐや姫の素材と技術

「かぐや姫」の特徴的な点は、その全てが竹素材で構成されていることです。例えば、

- ふろしき: 竹炭と綿シャンタンを使用
- 顔・ボディ: 竹セルロースとPLAのコンビネーション
- 髪の毛: 竹炭とPLAを使用
- 着物: 竹炭にヴィーガンレザーを用いた

このように、伝統的な物語が現代の技術と融合し、新たな美的価値を創造しています。

漆黒の美しさを追求するフィギュア

かぐや姫を包む黒いふろしきは、京都の伝統を受け継いだふろしきメーカー「宮井」とのコラボレーションによって製作されました。開発者は「漆黒性の表現にこだわり、特殊な技術を用いて竹炭粉末を生地に付着させることに成功しました」と語ります。実際に、古来の技術による墨汁染めでは満足のいく結果が得られず、現代的なアプローチで質感と色合いを追求しました。

新たな挑戦としての3Dプリント

フィギュア制作には、サンコールが初めて自社のフィラメントを使い、3Dプリンタを活用しました。しかし、造形の際には様々な課題に直面。特に繊細なパーツの仕上げには多くの時間と手作業が求められました。開発チームは苦労を重ねながらも、「凛とした女性らしさを表現するために、細部にわたる研磨作業を行いました」と振り返ります。

環境への配慮と未来へのメッセージ

サンコール株式会社は、過去に竹害問題に取り組む活動を行っており、万博の大舞台でその思いを発信できることを光栄に感じています。「皆様に興味を持っていただき、次の世代へと続く環境保護の重要性を感じてもらえれば」と期待を寄せています。この「かぐや姫」展示は、過去・現在・未来をつなぐ新しいアートとして、多くの人々に感動を与えています。