住友ベークライトによる放熱絶縁シートの革新
住友ベークライト株式会社が新たに開発した放熱絶縁シートは、業界で最も高い放熱性と絶縁性を兼ね備えた画期的な製品です。この技術革新は、従来のセラミック基板の代替を可能にし、特に株式会社デンソーの車載インバーター内でのパワーモジュールに日本発条株式会社製の樹脂絶縁基板として採用されることとなりました。
開発に至った背景
パワーモジュールは、高い電力変換・制御能力を持つ重要デバイスであり、産業機器から自動車、さらには再生可能エネルギーまで幅広い用途に利用されています。最近のトレンドとして、SiCパワー半導体が普及することでさらなる性能向上が求められています。特に自動車業界では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)におけるインバーターやDC-DCコンバーターでの使用が増えており、これが車両の航続距離の延長や電費改善、さらにはCO2排出の抑制に大いに貢献しています。
電動車の技術進化に伴い、パワーモジュールは大電流と高電圧化が求められます。これに伴って発生する熱に対処するため、高放熱性と高絶縁性を兼ね備えた放熱絶縁シートの開発が急務となり、2018年から本格的に取り組んできたのです。
放熱絶縁シートBLA-6051の特長
新商品の放熱絶縁シートBLA-6051は、熱硬化樹脂接着シートとして、高い熱伝導性と電気絶縁性を持つ特性が魅力です。このシートを樹脂絶縁基板の絶縁層として利用することで、セラミック基板の代替を実現します。以下の5つの特長により、他にはないパフォーマンスが得られます。
1.
業界最高クラスの熱伝導特性
高放熱樹脂にBNフィラー配向制御技術を融合させ、窒化ケイ素に比肩する低熱抵抗を達成しました。これにより、電子機器や産業装置の熱管理が向上し、温度上昇を抑えつつ信頼性を大きく向上させます。
2.
高耐電圧性能
安全性を重視した絶縁性能を備えた本シートは、高電圧環境での使用にも適しています。
3.
薄膜化の実現
樹脂の特性を活かし、薄膜化を可能にしました。これにより軽量化が進み、設計の自由度が向上し、次世代製品への応用が期待できます。
4.
寸法安定性の高さ
150℃以上の環境での耐熱性を有し、硝子基板に比べて反りが少ない特性があります。これがパワーモジュール製品の設計の自由度を向上させ、実装工程の簡略化にも寄与します。
5.
セラミック基板の代替
樹脂絶縁基板を使用することでコスト削減が期待でき、さらには樹脂の利点を生かして高性能も実現します。これにより、セラミック基板の課題を効率よく解決します。
今後の計画
住友ベークライト株式会社は、現在自動車用途を中心に販売を拡大させており、今後は産業用インバーターや再生可能エネルギー分野にも進出し、最終的には2035年までに100億円規模の事業成長を目指します。この新しい技術によって、より多くの分野での応用が期待されます。
お問い合わせ
住友ベークライトに関する詳細は、お問い合わせ窓口までご連絡ください。電話番号は03-5462-4262です。問い合わせフォームは
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