フレーベル館の新たな挑戦
株式会社フレーベル館がこのたび、子どもたちの安全を考慮した二つの商品を発表しました。「フィットいろぼうし」と「あんぜんあんしん園生活かみしばい」は、第18回キッズデザイン賞を受賞し、その意義と開発プロセスが注目されています。
フィットいろぼうし:新しい安全への第一歩
概要
幼稚園や保育園で使用される「フィットいろぼうし」は、子どもが屋外で過ごす際に特に配慮されたデザインです。大きな特徴は、長いツバが上向きになっているところです。この形により、強い日差しや紫外線から子どもを守ることができます。また、保育者が子どもの顔をしっかりと確認できるため、安心感も増す設計になっています。
開発の背景
式帽子のデザインには長らく課題がありました。長いツバが視界を狭め、時には子どもの表情を隠してしまうことがあるため、それが確かな「安全」を脅かす要因とされていました。この問題を解決するために、フレーベル館は子ども服ブランド「kubomi」との協力を得て、柔らかい芯材を開発。これにより、ツバが自然に曲がり、視界の広さが確保されました。
あんぜんあんしん園生活かみしばい:学びを通じた安全意識の向上
概要
「うんしんあんしん園生活かみしばい」は、子どもたちが日常生活での危険を学び、自ら回避する能力を育むことを目的とした紙芝居です。この商品は、2022年に発生した痛ましい通園バスの事故を受けて開発されました。事故を繰り返さないためには、子どもの安全を大人だけではなく、子ども自身が守れるよう教育する必要があります。
開発の背景
日本全国で毎年、子どもが事故で命を落とすという厳しい現実があります。内閣府の調査によると、2004年から2020年の間に200人以上の子どもが亡くなっています。この背景から、フレーベル館は事故のリスクについて調査し、特に「見失い」の危険性が高いことを理解しました。それを基に、リアルな園生活の場面や人物設定で物語を通じて子どもたちに教える方法を考えました。紙芝居の裏面には、子どもへの具体的な言葉かけや保護者への説明も掲載され、安全に対する意識を高める取り組みが行われています。
キッズデザイン賞の意義
キッズデザイン賞は、子どもたちが安全に暮らすことを旨にした製品やサービスを評価するものです。フレーベル館の今回の受賞は、彼らの制作した商品がこの理念に見合ったものであることを証明しています。子ども用商品に限らず、大人用の製品でも子どもを考えたデザインが評価されることが特徴のこの賞は、社会全体に子どもたちへの配慮の重要性を広める役割を果たしています。
フレーベル館について
フレーベル館は、子どもたちの健やかな育ちを支えるために、幅広い事業を展開しています。代表的なものには「アンパンマン」シリーズや「ウォーリーをさがせ!」シリーズなどの児童書の出版があります。また、保育関連施設向けの遊具や教材の提供、室内あそび施設のプロデュースなど、多岐にわたる事業を展開しています。今後もこのような商品を通じて、子どもたちの未来を支える活動が期待されます。