平和の塔の展覧会
2025-10-29 11:06:53

大工アーティストと現代アートが織りなす平和の塔の物語

木工とアートの融合—平和の塔の制作



大工アーティストとして知られる菱田昌平と、現代アーティスト長坂真護のコラボレーション作品が福井県あわら市の金津創作の森美術館で展示されています。この展示には、両者が力を合わせた「平和の塔」の作品が含まれ、12月14日まで見ることができます。

菱田昌平と長坂真護の出会い


菱田昌平は長野県坂城町で活動する大工アーティストです。彼が長坂氏の作品に惹かれたのは、2024年春に名古屋で開催された長坂氏の個展がきっかけでした。ここで菱田は長坂氏の代表作《真実の湖》を収蔵し、「職人の手で社会を変える」理念に共鳴したことで友情が芽生えました。この出会いがきっかけで、菱田は長坂氏が推進するガーナのアグボグブロシーでのまちづくりプロジェクトに参加することになりました。

菱田は現地で焼杉を使った木工技法を指導し、この経験が金津創作の森美術館でのコラボレーションへとつながりました。このプロジェクトは、ただのアートではなく職人の手仕事の価値を再定義する試みでもあります。

作品の詳細


MOON TOWER(平和の象徴)


本展の目玉である《Moon Tower》は、長坂氏が平和の象徴として描き続ける「月」をモチーフにしています。この作品は2019年に廃ペットボトルを使用して最初に制作され、2022年には3Dプリンター技術を用いた新バージョンが発表されました。今回の展示では、地元の中学生やボランティアと共に新たに制作され、構造部分は菱田が担当し、自然と調和するデザインが施されています。この塔は時間の経過とともに変化し、まるで生きているように感じられるでしょう。

E-waste Tree(未来への警鐘)


もう一つの重要な作品である《E-waste Tree》は、ガーナのスラム街アグボグブロシーにおいて、先進国から廃棄された電子機器が溢れる中で制作されたもので、高さは7メートルにも及びます。この作品は、「汚染された土地の残留エネルギーを吸い上げる樹木」とのテーマのもとで制作されました。菱田は日本の杉とガーナの電子廃棄物を組み合わせ、生命感のある有機的なフォルムを創出しました。この”呼吸する彫刻“は、自然と人工、技術と思想を結びつける重要な作品です。

伝統技術と現代アートの調和


菱田は、構造部分を自らの開発した新構法「円盤鯱じめ」を用いて設計しました。この技術は、音や木の香り、手斧のリズムが森に響く中で、経験豊かな職人たちによって組み立てられました。接着剤や金物を使用せず、木材の特性を活かすこの方法は、木同士を噛み合わせるために必要な力の流れを読み取るものです。

この作品は、物理的な支持体であるだけでなく、職人の哲学を刻んだ彫刻的存在でもあります。双方の作品が支え合い、融合し合う姿勢は、観客にとっても深い示唆を提供しています。

展覧会について


展覧会名 長坂真護展 Still A BLACK STAR supported byセーレン
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会期 2025年10月18日(土) ~ 12月14日(日)
時間 10:00~17:00(最終入場16:30)
休館日 月曜日(祝日は開館、翌平日は休館)
会場 金津創作の森美術館 アートコア、野外美術館など
料金 一般300円(団体200円)、65歳以上・障がい者150円/高校生以下無料

この展覧会の観覧料の一部は、ガーナでの支援活動に使われることになっています。現地の人々とのコラボレーションを通じて、アートが持つ力を再認識させられる機会です。全ての人がこの新たなアートの形を体験できることを願っています。

メディアアプローチ


菱田昌平はこれまで、国内外の職人たちと共に「手仕事の価値」について考え、作品を通じてそれを表現し続けています。彼の活動は、地域社会に根ざしたものでありながらも、国際的な視野を持つもので、現在のアートシーンに影響を与えています。今回のコラボレーションは、彼と長坂氏が共に描く未来への一歩であり、観客に刺激を与えることでしょう。アートの力が人と人を、地域と国をつなげることを示したこのプロジェクトには、これからも注目が集まります。


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会社情報

会社名
株式会社菱田工務店
住所
長野県埴科郡坂城町中之条1683-17
電話番号
0268-82-8876

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