ヘラルボニーがフランスに進出
株式会社ヘラルボニーが2024年7月、フランス・パリに新たな子会社「HERALBONY EUROPE」を設立しました。この会社は、現COOの忍岡真理恵がCEOとして就任。ヘラルボニーは、同年9月から世界最大級のスタートアップ拠点「Station F」で本格的な活動を始める予定です。
BtoB事業の展開とアートデータの活用
フランスでの主な事業は、BtoB事業であるライセンスビジネスを中心とし、現地企業との協業を目指しています。特に、ヘラルボニーが管理する2,000点以上のユニークなアートデータを活用し、「障害」という概念のイメージを変えることを目指しています。地域の福祉施設との連携も進め、新たな海外アーティストとの契約を視野に入れた事業拡大に取り組む予定です。
国際的な舞台での評価
ヘラルボニーは、今年5月に開催された「LVMH Innovation Award 2024」にて、日本企業として初めてファイナリストに選出され、「Employee Experience, Diversity & Inclusion」のカテゴリ賞を受賞。これにより、LVMHの支援プログラム「La Maison des Startups LVMH」に参加し、事業拡大への個別サポートを受けることが決定しています。
パリ・ファッションウィークでの展示会
9月25日から10月1日までの間、パリ・ファッションウィークに合わせて、アートギャラリー「Galerie Christian Berst」にて「HERALBONY」の展示会が開催されます。この展示会では、素材や製造工程がアップデートされたシルクサテンのスカーフなど、再構築されたアートの世界を披露します。これは、ブランドにとって初の海外展示会となります。
CEOの期待と展望
新たに就任した忍岡真理恵CEOは、昨年秋からこのプロジェクトに関わり、多くの方と共に事業を成長させてきたと述べています。また、パリでのイベントでは、AIやテクノロジーの進化の中で人間らしさを大切にする取り組みが評価され、グローバルに事業を広げる重要性を強調しました。
意義ある挑戦の始まり
ヘラルボニーのCo-CEOである松田崇弥と松田文登は、岩手から世界に挑む意義を強調し、障害を抱える人々も「できる」というメッセージを広めつつ事業を推進する意志を表明しています。アートを通じて新しい文化を創造し、異彩を持つ人々の価値を社会に広めていくことが目標となっています。
ヘラルボニーの概要
ヘラルボニーは、「異彩を、放て。」というミッションのもと、知的障害のある作家が描くアートを管理し、それをさまざまなビジネスへと展開しています。支援の枠を超え、アートを通じた社会変革の実現を目指しており、国際的なプラットフォームとしての役割も果たすことが期待されています。将来的には、パリを拠点に、さらなる展開を図り、国境を越えたクリエイティブなビジネスを目指します。