日本調剤が全店舗にAI薬歴作成支援サービスを導入
全国47都道府県で調剤薬局を展開する日本調剤株式会社(東京都港区)が、AI薬歴作成支援サービス「corte」の全763店舗への導入を発表しました。このサービスは、株式会社corteと株式会社ソラミチシステムが共同開発したもので、薬剤師の業務を支援し、患者へのサービス向上を目指しています。
「corte」とは?
「corte」は、薬剤師が患者との会話から得た情報を基に、自動的に薬歴を作成するサービスです。日本調剤では2024年11月に50店舗での先行導入を行い、その効果を検証した結果、薬剤師の負担軽減と医療サービスの質向上につながることが確認され、全店舗の導入に踏み切ることになりました。
導入の目的と背景
厚生労働省が策定した『患者のための薬局ビジョン』では、薬剤師が地域包括ケアシステムにおいて重要な役割を果たすことが求められています。対物業務から対人業務へと移行する中、日本調剤はAI技術を積極的に取り入れることで、薬剤師が専門性を発揮できる環境を整えることに注力しています。これまで以上に患者中心の医療を提供するため、「corte」を通じて作業効率を高めることが重要とされています。
導入による具体的な効果
先行導入した店舗では、「corte」によって以下のような効果が確認されました。具体的には、患者との会話が終わると同時に薬歴が作成されるため、手動での入力にかかる時間を大幅に削減できます。また、患者との会話内容や検査結果を的確に薬歴に反映できるため、薬剤師は記憶やメモに頼ることなく、正確な情報を持って診療に臨めることが可能です。さらに、患者との会話中にメモを取る必要が無くなるため、全体的に会話に集中することができ、質の高い服薬指導が促進されます。
円滑な導入を目指す取り組み
日本調剤は「corte」を全店舗に展開するにあたり、導入店舗の職員に向けた説明会を実施し、専属担当者が店舗訪問を行いサポートを強化する計画です。また、薬剤師からの改善要望を関係会社にフィードバックすることで、機能改善を図り、利用促進を促進します。これにより、日本調剤全体での「corte」の効果的な活用を目指します。
今後の展望
日本調剤は「corte」を全店舗で活用することで、対人業務の質を向上させ、患者一人ひとりに寄り添った質の高い医療サービスを提供することを目指します。また、この取り組みを通じて薬剤師の働き方改革も推進し、持続可能な医療の実現に寄与していく意向を示しています。AIを活用したサービスが今後の医療の形をどのように変えていくのか、注目が集まります。
日本調剤株式会社および関連企業は、今後も技術革新を通じて医療の質向上に寄与し、さらなるサービスの充実を追求していく予定です。