下北沢病院が提唱する新しい歩行法「美姿勢歩行」のすべて

下北沢病院が提唱する新しい歩行法「美姿勢歩行」

東京都世田谷区に位置する下北沢病院は、日本初の足病医療の総合病院として、現代人が抱える歩行機能の低下を改善するための新たな歩行法「美姿勢歩行」を発表しました。これまでの「大股で腕を振って歩く」という健康法の概念とは一線を画したこのメソッドは、体の重心を自然に前方へ移動させ、運動中の上下左右のブレを最小限にすることで、効率的かつ疲れにくい美しい姿勢をキープしながら歩くことを目的としています。

現代の歩行機能低下の実態

近年、日本では平均歩数が減少しており、猫背や反り腰といった姿勢の不良を訴える人が増加しています。このような歩行機会の減少は、大殿筋や大内転筋の筋力低下や、腰痛、尿失禁、外反母趾など、さまざまな健康問題を引き起こす原因となっています。そこで、下北沢病院は「歩き方」を医学的に再考し、健康寿命を延ばすための手段を提供することを目指しています。

新たに提唱される「美姿勢歩行」

「美姿勢歩行」の特徴は、以下の通りです。まず、重心移動がスムーズで、無駄のない動きができるため、エネルギー効率が高いことが挙げられます。また、下北沢病院の歩行分析室による第一次検証の結果では、「大股歩行」と「至適歩幅歩行」を比較した際に、腓腹筋が過剰に使われているおそれがあることが分かりました。このように、適切な膝の屈曲が得られる「至適歩幅歩行」の方が体に優しいことが確認されました。

エネルギー効率の違い

呼気ガス分析による検証結果も興味深く、「大股歩行」は実際には高い疲労を蓄積しやすく、長時間には向いていないことが明らかになりました。つまり、見かけ上は運動強度が高そうな「大股歩行」の方が、エネルギー効率が劣っているのです。この結果を踏まえ、下北沢病院は「美姿勢歩行」を推奨することが重要であると訴えています。

社会的意義と今後の展開

高齢化が進む日本において、「美姿勢歩行」は次のような社会的価値を持っています。まず、医療費削減につながる可能性があり、予防医学の推進に寄与します。また、QOLの向上にもつながり、活動的で豊かな生活を実現する手助けとなるでしょう。さらに、健康寿命の延伸にも寄与し、高齢者が生涯にわたって自立した歩行を維持できることが期待されています。

今後、下北沢病院は歩行に関するさらなる研究を推進し、正しい歩行法の普及に努める方針です。これには学会での発表や、医療従事者への啓発活動も含まれています。さらに、「美姿勢歩行」の実践に関するコンソーシアム会議も2025年10月16日に行われる予定です。そこで実際に「美姿勢歩行」を体感できるデモンストレーションも行われます。

Lastly, 問い合わせ先も含めた取材のご希望は、下北沢病院の広報担当までお気軽にご連絡ください。