ブラザー工業、NC工作機械累計生産20万台達成の記念式典
2023年8月7日、愛知県刈谷市にあるブラザー工業株式会社の刈谷工場で、NC(数値制御)工作機械の累計生産台数が20万台に達したことを祝う記念式典が開催されました。この式典には、社長の池田和史氏をはじめ、ブラザーグループの関係者が出席し、特別な意味を持つこの節目を共に祝いましました。
20万台達成の意義
式典では、生産20万台目にあたる「SPEEDIO S700Xd2」に記念銘板を取り付ける儀式が行われました。池田社長と専務執行役員の星真氏がそれぞれ手を取り合い、これまでの歩みを振り返るとともに、未来への期待が込められた瞬間でした。ブラザーのNC工作機械は、その起源が創業時の理念に基づき、自社で製品を生み出すための機械から始まりました。
1961年に発売された教育用小型旋盤「BSL-250」が外販の第一歩を踏み出したことが、今に至るブラザーの歴史を築いたと言えるでしょう。次に登場した1964年のタッピングマシンは、精密機器の部品加工において欠かせない存在となり、その後も進化を続けてきました。
歴史を振り返る
1980年には電子制御を採用したタッピングマシンの「ハイタップシリーズ」が登場し、このテクノロジーの進化はさらなる飛躍をもたらしました。そして、1985年には小型のCNCタッピングセンター「TC-211」が市場に投入され、これはブラザーの工作機械事業成長の大きなきっかけとなりました。この歴史の中で、ブラザーは、自社開発の制御機能を進化させ、高生産性を追求したモデルラインアップの強化を図りました。
SPEEDIOシリーズは現在7つのシリーズ、11機種を展開しており、顧客のニーズに応える柔軟な対応がなされています。これまでの努力の結果、NC工作機械の生産台数は年々増加し、1985年の初号機から122年にわたって達成され続けてきました。1995年には1万台、2008年には5万台、2014年に10万台、2018年には15万台を超えるなど、着実に成長を続けています。
グローバルな展望
ブラザー工業の全球的な生産体制にも注目です。2004年からは中国、2024年にはインドでの工作機械生産を開始し、現在は日本、中国、インドの3か所で生産が行われています。これにより、地域の顧客ニーズに迅速かつ柔軟に対応しながら、安定した供給体制を確立しています。ブラザーは、20万台の生産達成を契機に、「今後もグローバルな生産体制と技術力を活かし、高い生産性と省エネルギー性能を兼ね備えた工作機械を提供していく」との展望を明らかにしています。
最後に
ブラザーのNC工作機械がこの20万台の生産を達成した背景には、技術革新や顧客のニーズの変化に柔軟に対応してきた努力があります。式典を通じて感じたものは、今後のさらなる成長と挑戦を見守ることで、私たちには新たな価値が届くことです。ブラザー工業のNC工作機械の未来が、ますます楽しみになりました。