今治市が新たに導入したAI治水監視システムの全貌

AI技術を駆使した治水監視システム

愛媛県今治市では、BEMAC株式会社と連携して、AIを活用した治水施設監視システムが導入されました。このシステムの運用は、今治市内の鳥生地区で行われ、愛媛県内の地方自治体で初の試みとなります。

近年、気候変動による影響で、今治市では集中豪雨が頻繁に発生し、その結果として河川や水路の水位が急激に上昇する事態が続いています。このままでは冠水被害も深刻化する恐れがあります。そこで、AIによる治水監視を導入することで、これらの危険に事前に対処する体制を整えることが可能になります。

この先進的な治水監視システムは、BEMACが開発したAIを用いて、過去の水位データを分析し、気象庁の降雨予測をもとに水位を約1時間後に予測します。設定された水位を超える可能性がある場合、関係者には事前に通知が送られる仕組みです。つまり、危険な水位を迎える前の1時間に警告が出されるため、適切な対策が講じられるのです。

このシステムのもう一つの大きな特徴は、AIを活用することで24時間365日監視が行える点です。これにより、地域の防災力は格段に向上することが期待されます。

共同記者会見での発表

2025年2月25日、今治市役所で行われた共同記者会見では、BEMAC代表取締役社長である小田雅人氏と今治市長の徳永繁樹氏が登壇しました。会見では、AI技術を用いた治水監視システムについて詳しく説明がなされ、地域密着型の企業BEMACと今治市がともに地域の安全を守るための取り組みを今後も継続していく意欲が示されました。

特に、今後の運用によって、AIの予測機能のさらなる強化が図られることが強調されました。これにより、予測精度を高めるだけでなく、予測を行う時間の前倒しも目指しています。防災の取り組みとして、これらのサービスが広がることで、より広範囲にわたるエリアでの実施が可能になる見込みです。