ラクスルの新サービスパーソナライズDM
印刷や集客支援を行っているラクスル株式会社が、新たに「パーソナライズDM」のサービスを始めました。この新サービスは、顧客の行動履歴を元に内容を切り替え、一人ひとりに合わせたダイレクトメール(DM)を提供します。これにより、脱・ばらまき型のアプローチを実現し、より効果的なマーケティングを可能にしています。
1. パーソナライズDMの基本
「パーソナライズDM」は、顧客データや行動履歴を活用して、異なるメッセージを配信できるDMです。通常のはがきや圧着はがき、さらにはギフト付きのDMなど、約30種類のフォーマットを用意。施策の目的やターゲットに応じて、最適な形式を選ぶことができます。また、各DMには固有のQRコードが自動で埋め込まれており、受け取った人がアクセスすると、誰がいつどの情報に興味を持ったかをリアルタイムで把握することができます。これにより、スピーディに次のアクションに繋げることができます。
さらに、Treasure Data CDPやSales Markerなどの顧客データを活用するサービスと連携することで、宛名データの自動取り込みや送付後の行動履歴の統合が可能になり、マーケティング戦略を強化します。顧客の反応を可視化し、継続的な効果検証が行える点も特筆すべき特徴です。
2. サービス導入の背景
この「パーソナライズDM」の導入背景には、デジタル広告に対する反響の低下が存在します。日本ダイレクトメール協会による調査では、メール広告の開封率が20.9%に対し、紙DMの開封率は74.3%に達し、顕著な高反応が確認されています。デジタル情報が溢れる現代において、リアルに手元に届く「紙」が再評価されています。
また、従来のDM施策では、誰に届いているのか、どの程度見られているのかを把握できなかったため、配布後の効果検証が不十分でした。これにより多くの企業が同じDMを無駄に“ばらまく”形となり、受け取り手から敬遠される結果を招いていました。
3. 個々に最適な体験の重要性
最近の調査によると、パーソナライズされたDMはそうでないものよりも開封意向が1.8倍以上高いと報告されています。これは、ターゲットに合わせて情報を届ける重要性を示しています。「誰に」「いつ」「どんな内容を」「どう届けるか」を最適化することが、今後ますますマーケティングにおいて重要になります。
4. 具体的な機能と特徴
ラクスルの「パーソナライズDM」には以下の特徴があります:
- - リアルタイム可視化機能:各DMに埋め込まれたQRコードにより、顧客の反応が即時に把握でき、担当者にメール通知されます。
- - 文面の個別最適化:顧客の反応に応じて異なる文面やクリエイティブを設定し、DMを出し分けられます。
- - ツールとの連携:これまでの営業支援やCRMツールと連携し、顧客データをスムーズに活用できます。
- - 多彩なフォーマット:ハガキやギフト付きDMなど、ニーズに応じた幅広い選択肢があります。
5. 媒体としてのDMの価値
DMはデジタルと異なり、物理的な体験を提供するため、消費者の心に残る効果があります。ラクスルはこの新たな取り組みを通じて、企業のマーケティングを変革し、顧客との接点を再定義することを目指しています。
今後、より多くの企業がこの仕組みを活用し、パーソナライズDMを通じた新しい経験を提供していくことが期待されます。
6. まとめ
ラクスルが開始したパーソナライズDMサービスは、情報の適切さと受け手との接点強化に寄与します。この新しいDMの形が、マーケティング活動にもたらす可能性は大きいと言えるでしょう。