企業のメンタルヘルスケアの新たな一歩
2024年10月3日から5日、かずさアカデミアパークにて開催された「第34回日本産業衛生学会全国協議会」において、株式会社マイシェルパの代表取締役、松本良平氏が「オンラインカウンセリングを活用した社員向けセルフケアの有効性についての予備的研究」を発表しました。この研究は、オンラインカウンセリングが従業員のメンタルヘルスにどのような影響を与えるかを探ったものです。
研究の目的と概要
メンタルヘルスケアは、現代社会において企業の重要な課題となっています。特にコロナ禍以降、遠隔でのサポートが求められるようになり、多くの企業がオンラインカウンセリングの導入を進めています。この研究では、マイシェルパ契約企業の従業員を対象に、オンラインカウンセリングの効果を数値化しました。
具体的には、オンラインカウンセリングを受ける前と後での従業員の気分を100段階で評価する手法を用い、その変化を測定しました。実施期間は2024年5月1日から7月15日までで、221人の有効回答者が集まりました。
研究結果
発表されたデータによると、カウンセリングを受ける前の平均スコアは42.8、カウンセリング後は70.7という結果が得られました。このことから、オンラインカウンセリングが従業員の気分を平均27.9ポイント改善させたと結論づけられました。統計的にも有意な結果(p<0.001)であり、効果量もCohen's d=1.07という、高い水準が示されています。
これらの結果は、オンラインカウンセリングが企業のメンタルヘルス施策において有効な手段であることを強く示唆しています。
松本良平代表のプロフィール
松本氏は京都府立医科大学で精神医学を学び、脳画像研究を通じて医学博士の学位を取得しました。その後、40本以上の論文を国際的な医学雑誌に発表し、奈良県の精神科病院の院長を経て、2016年にマイシェルパを設立しました。現在は、医療法人の理事長としても活動し、3つのメンタルクリニックを運営し、月間約4,000名の診療を行っています。
マイシェルパとそのサービス
株式会社マイシェルパは、法人や個人向けにメンタルヘルス支援を行うオンラインカウンセリングサービスを展開しています。専門の臨床心理士や公認心理師がカウンセリングを担当しており、科学的根拠に基づいた支援を提供しています。また、これまでに300社以上で導入実績があることからも、多くの企業がその効果を実感していることが伺えます。
まとめ
今回の研究成果は、オンラインカウンセリングが従業員のメンタルヘルスを劇的に改善できるという希望を示すものです。企業としても、従業員の健康を守るための新たな方策を模索する中で、オンラインカウンセリングの導入を検討する価値が十分にあります。メンタルヘルスケアにおいて、科学的なアプローチと実績に裏付けられたサービスの重要性が、再認識される契機となるでしょう。