東京で実現する新たなコーヒー体験
2025年8月、東京にて「Specialty Canephora Event in Tokyo」と題した大規模なコーヒーイベントが開催される。主催はCOUZOU株式会社で、ロブスタ種として知られるカネフォラ種に焦点を当てた日本初のセミナーイベント。これまで「低品質」として敬遠されていたロブスタが、どのようにしてその地位を変えていくのかが探求される。
開催の背景と目的
近年、地球温暖化が進行中であり、コーヒーの主力品種であるアラビカ種は生産環境に多くの影響を受けると言われている。ある研究では、2050年までにアラビカ種の栽培に適した土地の半分以上が不適地になると予測されている。これに対して、カネフォラ種は高温多湿な環境にも適応でき、さらに病虫害にも強いため、「未来のコーヒー」としてその注目度が高まっている。そして、ウガンダやインドネシアでは品質が向上し、スペシャルティ・ロブスタとして高スコアを獲得している。
そんな中、東京で開催される本イベントは、最新研究に基づく知識を得るだけでなく、様々なスペシャルティ・カネフォラのテイスティングを通じてその可能性を体感できる貴重な機会となる。参加者はカネフォラ種の新たな魅力に直接触れることで、コーヒー業界の未来を感じ取ることができるだろう。
世界のトップ研究者とバリスタが揃う
このイベントには、世界的なカネフォラ研究の第一人者が登壇する。ブラジルから招へいされるのは、Fabiana Carvalho博士とLucas Louzada Pereira博士の2名。Fabiana博士はコーヒーのフレーバー分析において重要な研究を行っており、特にカネフォラ種に関するフレーバーホイールを発表した功績がある。Lucas博士はカネフォラ品種の改良や品質向上に取り組んでいる科学者で、イベントではその最新の研究成果を参加者にシェアしてくれる。
さらに、日本のトップバリスタも登壇し、その実務経験を通じた視点でカネフォラの魅力を紹介する。岩瀬由和氏や粕谷哲氏など、国内外の優れたバリスタが参加し、実際のテイスティングやワークショップを通じて知識を深める機会が提供される。
多彩なプログラム内容
イベントでは、講演やディスカッションの他に、実際にスペシャルティ・カネフォラのテイスティングを行うプログラムも用意される。以下はその一部だ。
- - 最新カネフォラ研究に基づくセミナー: 研究者による最新知見の講演やディスカッション
- - スペシャルティ・カネフォラのカッピング: 世界各地の高品質ロブスタコーヒーを体験できるテイスティング
- - センサリー ワークショップ: 五感を用いたコーヒーテイスティングで、カネフォラの特徴を深く理解するプログラム
これらのプログラムは、オンラインやセミナーだけでは得られない豊かな経験を提供してくれる。希少なカネフォラ種を間近で体験し、その科学的な背景や評価方法について学ぶ機会は貴重であり、コーヒー愛好者にはたまらない内容となっている。
開催概要
日程は2025年8月18日から21日までの3日間、それぞれ異なるプログラムが用意される予定だ。会場は、UCCコーヒーアカデミー東京をはじめ、COUZOU本社やDKSH本社など、都内の主要なロケーションで行われる。興味がある方は、COUZOUの公式サイトから申し込みが可能。
本イベントは、気候変動が影響を及ぼす今後のコーヒー業界を考える上で、非常に重要な機会となる。カネフォラ種がこの新しい時代を支える鍵となることが期待されており、ぜひ多くの人に参加してほしい。コーヒーの未来に向けたこのイベントが、どのような新しい発見をもたらすのか、今から楽しみである。