インフルエンサーマーケティングの成功と課題
hotice株式会社は、2023年に実施した調査で、102社のマーケティング担当者からインフルエンサーマーケティングの実態に関する貴重なデータを取得しました。調査の目的は、企業の活用方法やプラットフォーム選定、コスト感、成果、ならびに課題を定量的に明らかにし、今後のSNS活用に役立てることです。以下に、調査結果について詳しく探ります。
調査の背景と目的
Z世代やミレニアル世代が主要な消費者となる中、SNSは企業の情報接触の主な手段になってきています。この流れの中で、インフルエンサーマーケティングの重要性は増加しており、多くの企業がこの手法に注力しています。しかし一方では「費用対効果が見えにくい」「施策の最適化が難しい」と感じる企業も多く、効果的な戦略を持つ企業はまだ少数です。そこで、本調査を通じて施策経験者のリアルな声を集め、知見を可視化することを目指しました。
調査概要
- - 実施者: hotice株式会社
- - 協力者: 合同会社RASA JAPAN
- - 手法: インターネット調査
- - 調査時期: 2025年5月
- - 対象: インフルエンサー施策を実施した国内企業のマーケティング担当者
- - 有効回答数: 102名
主な調査結果
調査結果からは、様々な情報が見えてきました。施策目的は「ブランディング」が57.8%を占め、その後に「購買促進」や「採用」、「UGC獲得」が続き、多様な目的でインフルエンサーが活用されていることが判明しました。
起用するプラットフォームでは「YouTube」が59.8%で最多、次いで「Instagram」が52.0%、さらには「X(旧Twitter)」が51.0%となり、SNSの多様性が浮き彫りとなりました。
インフルエンサーの選定には「親和性」が最も重要視され(53.9%)、フォロワー数や実績とともに、ブランド文化との適合性も重視されています。また、予算は「10万円未満」や「30〜50万円」が主流で、50万円未満の施策が全体の約56%を占めており、多くの企業がリスクの少ないライトな起用からスタートしていることがわかります。
施策の効果を実感している企業が約80%に及び、「ある程度感じた」が51.0%、「大いに感じた」が28.4%という結果が出ています。成功要因として最も多かったのは「クリエイティブの質が高かった」(52.0%)であり、SNSの選定やフォロワーの反応の良さも成功の鍵となっていました。
一方、課題も明確になりました。「商品の理解不足のまま発信された」が42.9%と最も多く、インフルエンサーの選定やプラットフォーム選定の難しさも上位に挙げられています。
業種構成とSNS使用状況
業種は多岐にわたり、IT・通信が27.5%、教育・人材が12.7%、広告・マーケティングが11.8%に達しており、幅広い分野がインフルエンサー活用に取り組んでいます。SNSの活用状況では、YouTubeが59.8%、Instagramが52.0%、X(旧Twitter)が51.0%、TikTokが39.2%という結果が得られました。
マーケティング戦略への示唆
インフルエンサーマーケティングは、単なる「チャネル」でなく、「体験と文脈」を提供する時代へとシフトしています。成功企業の共通点として、目的とKPIを明確に設計し、ブランドに合ったクリエイターを選出すること、そしてクリエイティブに投入する工数と投資が挙げられます。今後は、効果測定指標の可視化や、クリエイティブデザインの統一、エンゲージメントの質に注目が集まると予想されています。
会社概要
hotice株式会社は、東京都渋谷区に本社を置き、SNSの運用支援やインフルエンサー施策を主な業務としています。2021年の設立以来、数多くの企業のデジタルマーケティング支援に従事してきました。連絡先については、公式サイトまたは直接のメールでのお問い合わせが可能です。
この調査が、今後のインフルエンサーマーケティング戦略の構築において有益な情報となることを期待しています。