新がん治療薬の展開
2025-10-20 08:04:19

大鵬薬品、Arcus社の新がん治療薬をアジアで独占展開へ

大鵬薬品とArcus社の提携による新たな展望



最近、大鵬薬品工業株式会社は、アメリカのArcus Biosciences社が開発する低分子化合物、casdatifanの日本及びアジアでの独占開発・販売権を取得しました。この発表は、2017年に結ばれた契約に基づき、今回で5度目のオプション権行使となります。

casdatifanとは?


casdatifanは、HIF-2α(低酸素誘導因子2α)を阻害する新しい治療薬で、これによりがん治療の可能性を広げます。特に、淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)患者の治療に期待されています。このタイプのがんは、腎がんの中でも最も多いもので、患者の体内でHIF-2αが正常に機能しないことによって、腎細胞が癌化してしまうという特性があります。

取り組むグローバル第Ⅲ相試験


Arcus社は、casdatifanとVEGFR標的チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)との併用療法を評価するため、グローバル第Ⅲ相試験「PEAK-1試験」を実施中で、日本も2026年前半から本試験に参加予定です。この試験は、世界中で行われ、効果的ながん治療法を模索するものです。

臨床試験における重要性


腎臓がんは年々増加しており、アメリカでは年間40万件以上の新規患者が報告されています。その中でccRCCの割合は75~80%を占め、多くの患者が苦しんでいます。casdatifanが成功すれば、最新の科学技術を駆使した新しい治療法を提供できることになります。

大鵬薬品とArcus社の役割


大鵬薬品は、オプション権行使に際して、契約に基づくオプションフィーや臨床試験、販売に関するマイルストーン達成に伴う支払いを行います。また、製品が市場に出た際には、Arcus社への売上に基づくロイヤリティも支払われます。この新薬が早く患者に届くよう、両社は協力を深めていく方針です。

がん事業を牽引する大鵬薬品


大鵬薬品は、日本国内でがん治療薬のリーディングカンパニーとして名高く、医療の現場に貢献しています。がん、免疫関連疾患に特化した研究開発を進め、患者の生活の質を向上させる製品づくりに力を注いでいます。

まとめ


大鵬薬品とArcus社の提携によって、casdatifanという新たながん治療薬がアジア市場に登場することが期待されています。両社の持つ技術と知見を駆使した新薬開発に、医療関係者や患者からの注目が集まります。

(引用: アメリカ国立がん研究所、World J Oncol 2020)

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