双日株式会社、豪州Lynas社からレアアースの輸入を開始
2023年、双日株式会社が豪州のLynas Rare Earths Ltd(ライナス)から重希土類の輸入を開始しました。これは、マウント・ウェルド鉱山で採掘されたレアアース資源を用いてマレーシアで精製された鉱石を日本市場に提供する初めての事例です。レアアースは電気自動車や産業ロボットに欠かせない材料として、今後の産業の発展に寄与することが期待されています。
双日は、1960年代からレアアースの取り扱いを始め、その後、ライナスとの間で独占販売契約を結びました。これにより、ジスプロシウムやテルビウムなどの重希土類の供給を強化し、商業生産の開発も進めています。これらの元素は、特に強力な永久磁石に使用されています。未来の先端技術製品には欠かせない素材であるため、安定供給の道筋をつけることは極めて重要です。
レアアースは形成する金属の性能を向上させる性質があり、特に産業分野においてはその需要が高まっています。これを「産業のビタミン」と称するのは、まさにその通りです。この取り組みにより、双日はレアアースのサプライチェーンを多角化し、供給の安定性を強化していくことを目指しています。
今後、様々な先端技術製品に対する需要が増加する中、双日とライナスの連携がより一層重要になってくるでしょう。日本国内におけるレアアース供給の選択肢を広げることで、国の産業基盤をより強化することが期待されています。特に、エネルギー転換や電動車の普及が進む中で、レアアースの役割はますます重要視されるでしょう。
2023年の新たな輸入開始を皮切りに、双日は今後もレアアースの供給ルートをさらなる多様化へと進めていく方針です。これにより、安定的な資源確保を実現し、日本市場における競争力を向上させることが期待されています。
ライナス社の概要
- - 会社名: Lynas Rare Earths Ltd
- - 設立: 1983年
- - 所在地: Level 4, 1 Howard Street, Perth WA 6000 Australia
- - 代表者: Amanda Lacaze
- - 主な事業内容: レアアースの採掘、分離・精製
この新たな輸入の動きは、日本とオーストラリアの間での資源連携の深化を示すものであり、両国にとっての戦略的なパートナーシップを強化する機会ともなるでしょう。