アニコムが新財団設立、ヒトとペットの健康寿命延伸へ向けた研究を強化

近年、ペットの長寿化が顕著になっています。人間と同じように、ペット自身の健康寿命の延伸が重要な課題となる中、アニコム損害保険会社（以下、アニコム）は新たに一般財団法人「アニコム健康寿命延伸財団」の設立を発表しました。

設立は2025年9月を予定しており、現在は設立登記の手続き中です。この財団は、ペットの健康を科学的に探求し、ヒトとペットが共に健康で長生きできるための研究を行うことを目的としています。アニコムはこれまで、国内最大規模の保険および獣医療データを活用し、ペットの健康を守る予防型保険会社としての役割を果たしてきましたが、得られた知見を社会に還元し、学術的な発展と予防医療の浸透を図るために、この財団の設立に至りました。

具体的な活動内容としては、口腔疾患と全身疾患の関連性や、ヒトとペットの腸内細菌の類似性に関する研究を推進し、健康寿命の延伸を科学的に支援します。また、研究成果を基に、歯科医療および獣医療に加えて、広く一般社会への啓発活動にも取り組む予定ですれば、医療分野全体に貢献し、ヒトとペットがお互いの健康を支え合う環境を作ることが狙いです。

設立にあたり、理事陣は多様な専門分野から集まり、歯科・医療・獣医療の各分野に精通したメンバーが揃っています。代表理事に就任したのは、歯科医師であり、口腔ケアの重要性を広めてきた照山裕子氏です。さらに、歯周病研究の第一人者である大阪大学名誉教授の天野敦雄氏、医科・歯科連携の重要性を訴える医師の西田亙氏も理事として参加しており、各分野からの視点で協力し合う体制を整えています。

理事陣からのコメントでも、ペットの口腔ケアや健康が人間社会にも良い影響を与えると訴えています。照山氏は「ペットとヒトの健康の観点を共有し、幅広い対策を考えていきたい」と語り、天野氏は動物における予防医療の重要性を強調しています。西田氏は、ペットの健口が病気の予防につながり、ひいては人間社会にも恩恵をもたらすと述べています。

今後の展開としては、セミナーや学術講演会を通じて研究成果を広く社会に発信することを予定しています。国内外の大学や研究機関との連携も強化し、ヒトとペットの健康に寄与する研究ネットワークを構築していく考えです。2025年9月には、照山氏および天野氏による「口腔ケアと健康」をテーマとしたセミナーも開催される予定で、詳細については後日発表があるだろう。

アニコムの新しい試み「アニコム健康寿命延伸財団」は、ペットと人との共生をサポートする革新的な取り組みとして、今後の発展に期待が高まります。