超音波ソナーを用いたシールドマシン背面計測システムの開発
開発の背景
2020年、シールドトンネル工事において、施工による地表面への予期せぬ影響が発生しました。この事態を受け、国土交通省は施工の安全性向上を目的とした「シールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドライン」を策定しました。本ガイドラインでは、切羽土圧の管理や排土量のリアルタイムな把握が求められ、これによって施工におけるさらなる高度化と周辺地域の安心が図られています。
システムの概要
新たに開発された超音波ソナーをシールドマシン内に設置し、地山に向かって照射される超音波の反射波を計測します。これにより、マシンの背面に位置する密度変化の境界(ほぐされた泥土と硬い地山)の位置を常時把握することが可能となります。データは切羽土圧管理や泥材注入管理にフィードバックされるため、地質の変化に応じた安全で確実な施工が実現します。このシステムは、既存のシールドマシンに特別な加工を施す必要がなく、万が一ソナーが故障した場合も、簡単に交換できるメリットを有しています。
今後の展開
今後は、特に崩壊の危険が高い地山や小土かぶりの路線の施工にこのシステムを導入していく計画です。鉄道営業線横断や重要構造物との近接施工など、周辺地域への影響が特に懸念される場合においても、シールドマシンの背面計測技術が大いに役立つことが期待されています。さらに、鉄建建設では、坑内Wi-FiやAIカメラシステムを組み合わせた自動無人化運転システムなども展開しており、シールド工事の安全性と生産性向上に向けた取り組みが進められています。
鉄建建設会社について
鉄建建設株式会社は1944年の設立以来、主に日本の鉄道建設に貢献してきました。地域振興や住みやすい街づくりを目指しながら、全国交通網の構築に寄与してきました。これからも、シールドマシンの新しい技術を活用した施工方法の開発に取り組み、未来の建設現場での安全と安心を提供していくことでしょう。企業の詳細情報は
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