デジタル庁とDataGatewayの共同プロジェクト
シンガポールに本社を置くDataGateway Pte. Ltd.が、デジタル庁が公募した『Trusted Webの実現に向けたユースケース実証事業』に見事採択されました。このプロジェクトは、炭素排出量の計算を効率的に行い、かつ機密情報を守るための新しい技術の開発を目指しています。具体的には、分散型ID(DID)とVerifiable Credentials(VC)を駆使し、データの非改ざん性やトレーサビリティを強化することを目的としています。
炭素排出量把握の課題
近年、持続可能なビジネスへの取り組みが求められる中、企業は炭素排出量をより正確に把握する必要があります。特に、サプライチェーン全体での計算を可能にするScope3は、その実現が難しいとされています。従来の方法では、手作業によるデータ入力が多く、人為的なミスや情報の信憑性を担保できないという課題が指摘されています。さらに、企業間の情報開示が求められる中で、機密情報が漏洩することによる競争力の低下のリスクも抱えています。これらの背景から、データ管理の効率化が急務といえるでしょう。
分散型IDの活用###
DataGatewayは、分散型ID(DID)や secret computing(秘密計算)を活用して、サプライチェーン全体で公正な炭素排出量を計算し、その結果を機密情報を保護した状態でシェアするシステムの開発を目指しています。具体的には、IoT機器を利用してデータを収集することで、非改ざん性を確保し、さらにデータを暗号化してローカルストレージに保存する仕組みを構築しています。
また、データを表示する際には、秘密計算とゼロ知識証明を利用し、情報を暗号化したままで安全に共有しつつ、それが信頼できるものであることを保証します。この技術により、業務の効率化とともに公正な炭素排出量の可視化が可能になり、企業だけでなく個人レベルでの脱炭素活動にも寄与することが目指されます。
グローバルな設計と発信
DataGatewayのシステム設計は、グローバル基準に基づいており、将来的には日本から世界のスタンダードとして展開していくことを視野に入れています。炭素排出量の算出は国際的な問題であり、この新たなアプローチがどのように影響を持つのか、大いに注目されるところです。
まとめ
DataGateway Pte. Ltd.は、自己がコントロールする情報を実現するために様々な技術の研究開発に取り組んでいます。『Trusted Webの実現に向けたユースケース実証事業』の採択により、同社は炭素排出量の正確な計算と機密情報の保護において重要な役割を果たすことを期待されています。これにより、持続可能な社会の実現に寄与する新たな可能性が広がることでしょう。
この事業に関する詳細は、以下のリンクから確認できます。