QunaSysが量子アルゴリズム研究を支援するQURI SDKを発表

QunaSys、革新的なQURI SDKを発表

量子ソフトウェア開発の最前線に立つ会社、QunaSysが誇る新たなプラットフォーム「QURI SDK」が、誤り耐性量子コンピューティング（FTQC）時代に向けて正式にリリースされました。この新しい開発環境は、急速に進化する量子技術に対応した制度で、未来の研究者たちが量子アルゴリズムの領域で高い成果を上げる助けとなります。

FTQCの革新とその背景

近年、量子コンピューティング技術は飛躍的な成長を見せていますが、その進展には多くの未解決の課題が残されています。特にFTQCの領域では、従来の量子計算技術（NISQ）以上に高度な知識と専門技術が求められ、研究者たちにとっては高い壁となっていました。QURI SDKは、この障壁を取り除くためのキーとなるプラットフォームです。

QURI SDKの特長

QURI SDKは、FTQCに必要な高度なアルゴリズム研究を支えるために設計された3つの主要ライブラリが搭載されています。

1. QURI Algo

QURI Algoは、特定の分野の問題を量子アルゴリズムとして効率的にエンコードすることができるフレームワークです。初回リリースでは、特に化学や物理の問題に焦点を当て、エネルギー計算やハミルトニアンダイナミクスの処理をサポートしています。このライブラリを使うことで、研究者は特定の量子アーキテクチャに依存せずに広範なアプリケーションに挑むことが可能になります。

2. QURI VM

QURI VMは、FTQCアーキテクチャおよび量子デバイスを仮想化する機能を提供します。統一されたインターフェースから、利用者はアルゴリズムの構築と性能評価、シミュレーションを行うことができます。この環境下での性能評価は、Clifford+TアーキテクチャやSTARアーキテクチャへの対応を含み、研究者は最新のデバイスにおけるパフォーマンスを簡単に調査できます。

3. QURI Parts

QURI Partsは、既存のオープンソース基盤ライブラリを基に、FTQC時代の要望に応じて最適化されています。これによりトランスパイルやノイズが加わったシミュレーションの効率が格段に向上し、Qulacsなどの高度な量子回路シミュレーターと連携することで、開発体験が鮮やかに変化するでしょう。

アクセスの容易さと今後の展望

QURI SDKはオープンソースソフトウェアライブラリとしても提供され、誰でも手軽にアクセスが可能です。さらに、今後はGPUやスーパーコンピュータを利用した研究開発向けに有償の拡張機能も発表予定とあって、さらなる成長が期待されます。

QunaSysのCEOである楊天任氏は、「私たちのリリースによって、量子技術が多くの研究者たちに身近なものとなり、多くのブレークスルーを引き起こすことができると考えています」と語っています。

QunaSysは今後も量子コンピューティング領域でのリーダーシップを維持し、産業界における技術革新を牽引していく意欲を示しています。

詳細な情報はQURI SDK ドキュメンテーションを参照してください。

また、QURI SDKの開発の一部は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）によって支援されています。

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