千葉銀行は2024年9月30日、ロードスターキャピタル株式会社に対して「ちばぎんポジティブインパクトファイナンス」を実施したことを発表しました。本ファイナンスは、企業の事業活動が経済、環境、社会に与える影響を特定し、そのネガティブな効果を緩和しながらポジティブな効果を増大させることを目的としています。提供する融資内容は、持続可能な開発目標(SDGs)達成をサポートするものです。
このファイナンスの評価は、千葉銀行とそのグループ会社である株式会社ちばぎん総合研究所が共同して実施。事業者のKPI(重要業績評価指標)の設定や進捗管理を支援します。また、評価の客観性を担保するために、株式会社日本格付研究所から第三者意見も取得しています。このように、透明性のある評価プロセスを通じて企業の持続可能な成長を後押しする姿勢が伺えます。
特に注目されるのは、ロードスターキャピタル社が掲げる「不動産とテクノロジーの融合が未来のマーケットを切り開く」というミッションです。2012年に設立されたこの企業は、不動産投資事業とフィンテック事業を展開し、その強みを活かしながら市場に新たな価値を提供しています。彼らは、健康経営優良法人の認定取得や、女性役員比率の向上、賃金上昇率の改善など、具体的なKPIを設定して社会課題への取り組みを強化しています。さらには、自社が保有する全ての物件の電力を再生可能エネルギーに切り替える計画も進行中です。
これらの試みを通じて、企業価値の向上を目指すと同時に、地域社会の持続可能な発展にも寄与していく姿勢が感じられます。千葉銀行グループは「一人ひとりの思いを、もっと実現できる地域社会にする」というパーパスを掲げ、事業者のサステナビリティ経営に貢献することを目指しています。社会・環境の課題を解決する取り組みを一層推進し、地域に根ざしたエンゲージメントバンクグループを目指す姿勢に、今後の展開が期待されます。
今後、ポジティブインパクトファイナンスがどのように他の企業にも波及し、持続可能な経済の構築へと繋がっていくのか、その過程を見守りたいところです。成功事例として広がることが、企業間の連携や地域社会への影響をより一層深める契機となるでしょう。