はじめに
CES(旧Consumer Electronics Show)は、世界最大のテクノロジー見本市として、毎年1月に米国ラスベガスで開催されています。この場で行われる企業トップのキーノートスピーチは、技術の進展や市場動向を知るための貴重な情報源として、多くの人々や企業から注目を集めています。
近日、コグニティ株式会社が実施した調査によれば、CESで注目される企業と長期的に成長を続ける企業には、ある共通の特徴が存在することが明らかになりました。本記事では、同社が行った分析結果について詳しく見ていきます。
コグニティの分析方法
コグニティは、CESでの企業のKeynoteスピーチと、企業価値の10年成長率との相関関係を探るため、スピーチ内容の構造的な分析を行いました。分析にあたっては、「成長し続ける企業」と「そうでない企業」の違いに注目し、その要因を特定することを目的としました。
成長企業の「語り方」の構造
調査の結果、10年で200%よりも成長した企業の共通点として、以下のような「語り方」の構造が確認されました。1つ目は、将来の社会や産業がどのように変化するかというビジョンをしっかりと示していること。2つ目は、その実現に向けて自社だけではなく、エコシステム全体の協力が不可欠であることを強調しています。3つ目は、エコシステム内で自社がどのように主導的な役割を果たすのかを、強調しすぎず自然に伝えている点です。
CES Keynote分析の結果
CESのKeynoteを基にした分析から分かった特徴として、10年成長企業が好んで語る内容は、技術そのものだけでなく、未来においてその技術がどのように活用され、社会や産業をどのように変えていくのかという点です。
他にも、協力関係や産業全体への関連性を築くため、エコシステムに関連した話題を多く取り入れる傾向がありました。また、話の流れが明確であり、聞き手が理解しやすいように構成されています。その結果、企業の技術が「今の改善」ではなく「未来をつくる力」として機能していると評価されることになります。
今年の代表的なKeynote
さらに、コグニティが分析した今年のCESで特に印象的なスピーチとして挙げられるのが、大手AI半導体企業のKeynoteです。このスピーチは、以下のような特徴を持っていました。まずAI時代の計算基盤についての未来像が明確に描かれ、単独企業の競争力だけでなく、共創による価値の創出にも触れています。自社がエコシステムの中心的存在であることが、自然に示されています。
このような構成は、長期的な成長を見込む企業に必要な要素が含まれており、過去に高成長を遂げた企業群と合致することから、今後の展望において重要な事例と言えるでしょう。
企業のメッセージの重要性
コグニティの調査を通じて導き出された結論は、企業価値を10年単位で伸ばすためには「どんな技術を持っているか」よりも「どんな未来を実現し、誰とそれを成し遂げるのか」を明確に語れるかどうかが重要であるということです。そのメッセージの構造が、企業の成長に大きく寄与することが改めて確認されました。
まとめ
製品や技術の紹介にとどまらず、企業が未来を描き、仲間とともに成し遂げるビジョンをしっかりと伝えていくことが、長期的な成功の鍵となります。コグニティでは、さらに多くの企業分析を進め、定性的な情報をデータとして捉える技術を提供することを目指しています。これからも、企業が未来へと繋がるメッセージを発信していくためのサポートを行ってまいります。