熊本で自由に観光を楽しむ新たな移動サービス「ウィル」の導入

熊本での新しい観光スタイル「ウィル」の導入

最近、阿蘇くまもと空港やJR熊本駅で新たに近距離モビリティ「ウィル」の貸出サービスが開始されました。これは、旅行や観光の際に、体の不自由さを感じる方や高齢者、またそのご家族が、自由に熊本の観光スポットを楽しむための新しい移動手段を提供するものです。

この「ウィル」は、WHILL株式会社とNPO法人UDくまもとが共同で展開するもので、観光資源が豊富な熊本県にとって、非常に意義深いプロジェクトです。近年の高齢化社会やインバウンド需要の増加に伴い、より多くの方に旅行を楽しんでもらうため、ユニバーサルデザインに基づく移動手段が求められるようになっています。

ユニバーサルツーリズムの重要性

ユニバーサルツーリズムとは、年齢や障害の有無に関わらず、誰もが気軽に楽しむことができる観光を目指す概念です。現在、日本国内におけるその市場規模は3,000万人にも及びます。旅行に対する障壁が解消されることによって、潜在的な市場は1.5倍に拡大し、2035年まで成長が見込まれています。これにより、多くの人々がより自由に旅を楽しむことが可能になるのです。

新サービスの詳細

「ウィル」の貸出サービスでは、折りたたみ可能なWHILL Model Fを利用します。これは、電動でありながら非常に軽量かつコンパクトなため、レンタカーなどにも載せやすく、持ち運びが容易です。一般的な車椅子と比べて操作が簡単で、普段車椅子を使用しない方にもぴったりなモデルです。また、そのデザイン性にも優れており、観光先の景観に溶け込みやすいのも特徴です。

例えば、長距離の歩行が辛い方や家族が車椅子を押している場合でも、「ウィル」を利用することで、自分のペースで観光を楽しむことができます。これにより、体力を気にすることなく、各スポットを満喫できる環境が整います。

貸出サービスの基本情報

- 利用料金: 1日3,000円
- 申し込み方法: 電話またはメールにて事前予約
- お渡し場所: 阿蘇くまもと空港、JR熊本駅、各レンタカー会社など

利用条件としては、体重が115kg以下で、また操作に必要な判断力や注意力を備えた方が対象となります。詳細な条件については、公式ウェブサイトや電話での確認が推奨されています。

未来の展望

今後、WHILL社とUDくまもとは、阿蘇くまもと空港や主要ターミナル駅と連携しながら、より多くの人々が気軽に移動できる環境作りを進めていく予定です。これにより、熊本県内のみならず全国的にもアクセシブルでインクルーシブな観光社会の実現を目指しています。未来の旅行において、誰もが楽しめる新しい選択肢が広がっていくことを期待します。