デフフットサル女子監督と選手が高校で人権教育
2024年10月16日、埼玉県さいたま市に位置するさいたま市立大宮北高等学校で、デフフットサル女子チームの山本典城監督と岩渕亜依選手が人権教育の授業を担当しました。彼らはケイアイスター不動産株式会社が運営するケイアイチャレンジドアスリートチームに所属しており、障がいを持つ選手の視点から大切なメッセージを生徒たちに届ける役割を果たしました。
1. 体験型の授業内容
授業では、障がい者とのコミュニケーション方法について考察しながら、2025年に東京都で開催予定の東京2025デフリンピックについても触れました。生徒たちは「障がい」や「共生」の重要性を理解するための活動に参加しました。
1.1 コミュニケーションを体感
授業中、生徒たちは「伝言ゲーム」と「ジェスチャーゲーム」を通じて、聴覚障がい者とのコミュニケーションの難しさを実感しました。前者では唇の動きに注意を払い、後者では声を出さずにジェスチャーを使って言葉を伝え合う体験をしました。こうした活動を通じて、生徒たちは日常生活における障がい者のコミュニケーションの一面を学びました。
2. 質疑応答を通じた理解の深化
授業の後半では、生徒たちから多くの質問が寄せられました。質問内容は非常に多岐にわたり、聴覚障がい者の生活や障がいへの理解を深めるための意見交換が行われました。生徒たちから「聴覚障がい者へのイメージが大きく変わった」といった声が上がり、多様なコミュニケーション手段が存在することに気づいた様子が見受けられました。
2.1 生徒の感想
生徒の一人は、聴覚障がい者に対するイメージが一変し、口頭やジェスチャー、指文字などのコミュニケーション方法の多様性に気づいたと言います。
別の生徒は、自分たちの基準だけで障がいを捉えることの危険性を実感し、偏見が壁を作ることを強く感じたと述べています。何も考えずに過ごしていた音の無い生活がもたらす影響についても考える機会となりました。
3. デフフットサルとその意義
デフフットサルは、聞こえない人たちのためのフットサルで、競技中には補聴器を使わず、手話やアイコンタクトを活用したコミュニケーションが行われます。学んだ知識をもとに、これからの世代が如何に共生社会を築いていくのかは非常に重要です。
4. ケイアイチャレンジドアスリートチームについて
ケイアイチャレンジドアスリートチームは、「日本一挑戦するアスリートチーム」を理念に持ち、障がいを乗り越えさらなる高みを目指すアスリートたちで構成されています。彼らは、パラスポーツの認知度向上のためにも様々な活動を行っています。ここでの経験は、生徒たちにとって、単なる講義ではなく、実践的な知識を得る貴重な機会となりました。
このように、デフフットサル女子チームの講師陣による人権教育の授業は、コミュニケーションや共生についての理解を深める素晴らしい取り組みとなりました。今後もこのような活動が広がっていくことを期待しています。