NTT西日本の革新的な取り組み
2025年10月9日、NTT西日本株式会社が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)主催の「生成AIの安全性確保に向けたリスク探索及びリスク低減技術の開発」を目的とした懸賞金活用型プログラム「GENIAC-PRIZE」を受賞しました。この受賞は、生成AI技術が進化するなかで発生する新たなリスクに対応するための重要な一歩です。
背景と目的
生成AIの技術が進化する一方で、その影響として無断生成や改ざん、なりすましといったリスクが増大し、社会的信頼性の低下や知的財産権者・利用者に対する深刻な影響が懸念されています。そこで、NTT西日本は、ブロックチェーン技術とVerifiable Credentials(VC)技術を用い、「デジタルデータの真正性証明」と「デジタルデータのトレーサビリティ証明」の両立を目指した仕組みを構築しました。これにより、承認されたAIの合成コンテンツデータと、無断で生成されたAI合成コンテンツデータを明確に区別できるようにしました。
技術の概要
1. 真正性証明
この取り組みでは、デジタルデータ(具体的には音声データやAIモデルの特徴データ)が、発行主体や利用許諾の条件をVCとして保存し、改ざんを検知できるハッシュ値をパブリックブロックチェーンに記録します。これにより、第三者による検証が可能となります。
2. トレーサビリティ
音声データから合成モデルの特徴データ、さらには合成AIデータの関係を階層型VCでつなげ、生成物の出所を技術的に追跡することができます。これにより、ユーザーはいつ、どこで、どのように生成されたコンテンツかを明確に理解できるようになります。
VOICENCE事業への適用
この新技術は、NTT西日本が2025年10月27日にスタートさせる音声AI事業「VOICENCE」に適用されます。具体的には、IPホルダーの生音声データ、AI合成モデルデータ、合成音声データ、そしてそれらのトレーサビリティに活用され、デジタルコンテンツの制作において高い信頼性を確保します。
NTT西日本は上記の技術について特許出願を行っており、今後の展開に大きな期待が寄せられています。この取り組みにより、安全性の高い生成AI技術が普及し、利用者にとっての信頼性が一層高まることが期待されています。NTT西日本の技術が、生成AIの分野で新たなスタンダードになる可能性を秘めています。
お問い合わせ先
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NTT西日本株式会社ミライ事業共創室(下瀬)
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