ASEANを支える次世代の物流人材を育成する取り組み

ASEANを支える次世代の物流人材を育成する取り組み



近年、ASEAN地域の物流業界が急速に発展している中で、国土交通省は『物流人材の育成』を目的とした一連のプログラムを進めています。特に、2015年から始まったこの施策には、ラオスを中心とした人材育成に対する強い期待が寄せられています。

背景と目的



物流は国際貿易の根幹を支える重要な分野ですが、特に発展途上国においては、専門的な知識を持った人材が不足しています。国土交通省はASEANの物流人材育成に力を入れることで、地域の物流市場の健全な成長を支えようとしています。そのためには、現地の大学で学ぶ学生たちに対する教育が欠かせません。

教育プログラムの実施



今回は、公益財団法人SGH財団の協力の下、佐川グローバルロジスティクス株式会社から講師を招いて、ラオス国立大学の工学部にて「物流集中講義」を行いました。この講義は2023年5月19日から5月26日の6日間にわたり、約40名の学生を対象に実施されました。

主な講義内容には、日本の物流政策やコールドチェーン物流サービスに関する取り組みが含まれ、学生たちは物流の基本的な概念から最新のトレンドに至るまで幅広く学びました。特に、佐川グローバルロジスティクスによる物流オペレーションの実技演習では、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)を意識した業務改善がテーマとなり、より実践的なスキルを身につけることができました。

参加学生たちの反応



講義の一環として、学生たちにはラオスにおける物流サービスについての新規提案を発表する機会も設けられました。このディスカッションでは、彼らの元気なアイデアや革新的な発想が飛び交い、実際のビジネスにどのように結びつくのかを考える良い経験となったようです。参加した学生からは、「物流に対する視野が広がった」、「自国の物流をどう改善できるかを真剣に考えるきっかけになった」という声が聞かれました。

今後の展望



国土交通省は、この取り組みを通じて生まれたネットワークや知識を活かして、引き続き官民連携による物流人材育成に注力していくとしています。また、2023年度中にはベトナムやマレーシアにおいても同様の講義を企画しているとのことです。これにより、ASEAN全域での物流の質を向上させ、持続可能な経済開発を支えることが期待されています。

物流は国の発展を支える重要な要素です。未来を見据えた人材の育成が、ASEANのさらなる成長につながることは間違いありません。

このように、ラオス国立大学での物流集中講義は、学生たちにとって貴重な学びの場となりました。国土交通省の取り組みが実を結び、次世代の物流人材が育成されることを願っています。

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