サイプレスがTraveoファミリを拡充、自動車業界へ革新の波を

サイプレス、新なTraveoファミリの投入で自動車業界に革新

サイプレスセミコンダクタコーポレーションは、自社の車載用マイクロコントローラー「Traveo™ファミリ」に新しいシリーズを追加したことを発表しました。この新製品によって、自動車メーカーはコストパフォーマンスを損なうことなく、様々な先進機能をコンパクトカーに実装できるようになります。

進化した技術

今回の発表には、S6J32BAおよびS6J32DAといった新モデルが含まれています。これらは、2014年にスパンションが市場投入した中型車向けの「S6J324C」および「S6J326C」をベースに開発されており、特にコンパクトカーに最適化されています。Traveoファミリは、先進的な2Dおよび3Dグラフィックを実現しながらも、消費電力や部品費用（BOMコスト）の増加を抑制することが可能です。

サイプレスのグラフィックエンジンは高級車に見られる機能を多数搭載し、外部メモリを必要とせずにリッチな画像とセーフティ機能を実現しています。これにより、これまで主に高級車で利用されていた技術を、より広い範囲の車両に提供する道が開かれました。

豊富な機能

新シリーズの特長には、ARM® Cortex®-R5プロセッサ、内蔵フラッシュメモリ1MB、内蔵VRAM1MB、Enhanced Secure Hardware Extension（eSHE）などが含まれています。これにより、HyperBus™ インターフェースを利用して、HyperFlash™メモリやHyperRAM™メモリとのシームレスな接続が可能となります。また、S6J32BAおよびS6J32DAは前のモデルとピン互換性があるため、基盤の変更なしにアップグレードが可能です。

さらに、16ビットのオーディオDACやマルチチャンネルミキサーを装備したサウンドシステムも搭載され、車内でのエンターテインメント体験を一層向上させています。

未来へ向けて

サイプレスのサブスクリプション担当シニアバイスプレジデントである布施武司氏は、「この新シリーズは、私たちが初めて開発した車載向け製品です。これを通じて、高級車に搭載されていたリッチな機能を大衆向け車両にも広める一歩を踏み出しました」と語っています。

同氏によると、顧客はこの新しい高性能プラットフォームを採用することで、2Dおよび3Dグラフィックなどの先進機能を簡単に導入できるようになるとのことです。さらに、サイプレスはTraveo™製品ファミリやメモリソリューションの統合を進め、お客様にワンストップでのリソース提供を実現します。