中古車市場価格の現状と変動要因
オークネット循環型経済ラボは、2025年6月の中古車市場価格指数を発表しました。これは日本の中古車市場のトレンドを客観的に把握するための重要なデータです。従来、中古車市場は「平均取引価格」に依存していましたが、これは市場全体の質の変化を反映できず、短期的な物価変動を正確に捉えることが困難でした。
そこで、オークネットは東京大学エコノミックコンサルティング株式会社(UTEcon)と協力して、「リユース流通価格指数」を開発しました。この新しい指標は、オークネットの豊富な会員物流データとUTEconの価格指数構築ノウハウを活用し、2023年12月から毎月のレポートが公開されています。この調査により、中古車価格の実態をより正確に把握することが可能になったのです。
2025年6月の市場価格指数の詳細
2025年6月の「中古車市場価格指数」は、2008年7月の値を基準とし2.182に達しました。これは前月の2.185からわずかに0.003減少(0.14%減)しています。この数値から、最近の中古車市場のダイナミクスを読み取ることができます。また、同期間の「平均取引価格」は1.481で、前の月から0.017の減少(1.14%減)を記録しました。
これらの指数に注目すると、同じ品質の中古車の相場があまり変動しない一方で、安価な中古車の流通比率が増加していることが示唆されます。
ボディタイプ別の価格動向
ボディタイプごとの解析においては、ラグジュアリー車が1.73%上昇し、ミニバンやバン・トラックのカテゴリーも上昇傾向となりました。一方、コンパクトカー、ミッドサイズ、SUVなどは減少傾向を示しています。これらのデータは、複数の要因が絡み合った市場環境を照らし出します。
オークネット循環型経済ラボの役割と将来
1985年に中古車オンラインオークション事業を世界に先駆けて立ち上げたオークネットは、2022年に「オークネット循環型経済ラボ」を設立しました。このラボでは、経済学やオークション理論を基にした研究を行い、循環型経済に向けた情報を発信しています。今回の中古車市場価格指数の公表もその一環です。
研究パートナーには、東京大学やアマランツ・アソシエイツが名を連ねており、専門性の高い分析を行っています。これにより、日本のリユース市場の持続可能性を見据えたデータ提供が可能となっています。
今後もオークネットは、循環型経済の実現に向けた研究を続け、新たな市場価値を創造していくでしょう。
【出典】
6月レポートURL:
オークネット調査レポート