AIシステムで石炭火力最適化
2025-11-07 12:15:03

エクサウィザーズが中国電力とAIシステムで石炭火力を最適化

エクサウィザーズと中国電力が手がけるAI燃料運用最適化



株式会社エクサウィザーズが、中国電力株式会社との協力のもと、島根県浜田市にある三隅発電所において、石炭火力発電所の燃料運用を最適化するAIシステムの本格運用を開始しました。この新しいシステムは、炭質評価システムおよび石炭サイロ運用支援システムの2つから成り立ち、発電所の運用をさらに高度化します。

エネルギー供給の安定性と経済性



日本のエネルギー供給を支える石炭火力発電所では、電力の安定供給を維持しながら、燃料価格の変動に対応することが常に求められています。中国電力が運営する三隅発電所では、18基の貯炭サイロの管理を熟練社員が行っており、この業務は発電所の安定運転やコスト管理に深く関わっています。しかし、運用は属人化しており、計画の品質平準化が課題とされていました。また、脱炭素化の流れを受けて、バイオマス燃料の混焼拡大も求められており、運用の複雑性を一層高めています。

このため、エクサウィザーズと中国電力は、計画業務をAIで自動化・システム化することで、発電所の安定運転を維持しながら、燃料コストの最小化と業務標準化の実現を目指しました。

期待される効率化



開発された2つのAIシステムは、相互に連携しながら発電所の燃料運用を最適化します。

炭質評価システム


このシステムは、石炭の種類ごとの発熱量や価格を考慮しながら、AIが最適な石炭とバイオマス燃料のブレンド比率を提案します。これは従来の手法よりも数百倍の速さで行うことができ、約90分で4000通りの混焼パターンを評価します。このため、新規の石炭銘柄の導入検討も迅速に進むようになり、燃料調達のリードタイムを大幅に短縮することが可能です。

石炭サイロ運用支援システム


このシステムは、炭質評価システムから得られたブレンド比率をもとに、石炭の受入れや払い出し、ボイラーへの投入順序を自動で策定します。これにより、従来は1日かかっていた3カ月分の計画をわずか30分でまとめることができるようになり、計画策定に必要な工数の大幅な削減が実現しました。

将来の展望


今後、中国電力は燃料の多様化を進め、AIシステムのさらなる活用を目指しています。具体的には、外航船の配船計画策定を支援するAIシステムの構築を計画しており、燃料調達の最適化を推進する方針です。一方、エクサウィザーズは、AIを介してエネルギーの安定供給と運用の最適化をサポートし、社会課題の解決にも寄与することを目指しています。

この新しいAIシステムの導入により、発電所の運用はより効率的に、持続可能なものになり、我々の社会におけるエネルギー供給の安定性がさらに強化されることでしょう。


画像1

画像2

会社情報

会社名
株式会社エクサウィザーズ
住所
東京都港区芝浦4丁目2−8住友不動産三田ファーストビル5階
電話番号

トピックス(エンタメ)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。