モベンシスとアイ・エル・シーが技術提携を発表
2023年、新宿区に本社を置くモベンシス株式会社(以下、モベンシス)と千代田区の株式会社アイ・エル・シー(以下、アイ・エル・シー)が重要な技術提携を締結しました。この提携により、ソフトウェアベースのモーションコントローラ「WMX3」にアイ・エル・シーのソフトウェアPLC技術を統合し、産業オートメーションの分野に新たな革新をもたらすことが期待されています。
技術提携の背景
モベンシスは、40件以上の特許を持つ独自のソフトウェアアーキテクチャに基づいたモーションコントローラを開発しており、高い性能と柔軟性が求められる半導体製造装置などでの広範な導入実績があります。今回の技術提携で得られる柔軟な開発環境は、WMX3に高い拡張性を持たせるだけでなく、アジア市場での採用を加速させることが狙いです。
提携の目的と市場動向
この提携の目的は、モーション制御とPLC(Programmable Logic Controller)を融合させることで、より効率的な制御システムを提供することにあります。長らく個別に設計されてきたこれらの技術を統合することで、制御精度の向上や開発工程の効率化を図ることが可能になります。
最近では、製造業界においても生成AIの進展が進み、オートメーション技術が変革の時を迎えています。製品の制御においては、今までのハードウェア中心のアプローチから、ソフトウェアベースの柔軟な環境へとシフトしております。これにより、データ収集能力や拡張性が重視される時代が到来しています。
提携者のコメント
技術提携に関して、アイ・エル・シーの大西英也社長は「モベンシスの技術革新を取り入れることで、次世代の制御システムで新しい形を提示できる」とコメントしています。これまでに独立して運用されていたモーション制御とPLC制御を、ソフトウェア面で連携させることで、システム全体の最適化を目指します。
一方、モベンシスの梁富好代表取締役も、マーケットのニーズにレスポンスした形で技術提携を進めていることを強調し、重厚なハードウェアに依存するPLCから、より効率的にソフトウェアを活用する移行が進むことを示しています。
IIFES 2025での共同デモ
両社は2025年11月、東京ビッグサイトで開催されるIIFES 2025に参加予定です。この展示会では、技術提携によって実現された新しいソリューションをデモンストレーションし、多くの来場者にその技術力をアピールします。
- - 開催日程: 2025年11月19日(水)~ 2025年11月21日(金)
- - 開催場所: 東京ビッグサイト 東4・5・6ホール
- - 出展小間番号: アイ・エル・シー5-24 | モベンシス5-27
この新たなパートナーシップを通じて、両社が提供する技術は今後日本のみならず、アジア全体にもその影響を与えるものと期待されています。産業技術の進化を感じさせるこの提携が、どのような結果をもたらすのか、今後も注目が集まります。