農業支援技術
2017-04-20 11:00:59
低コストで農業を支援するデータ化技術「SenSprout Pro」が登場
低コストで農業を支援する新技術「SenSprout Pro」
株式会社SenSproutが新たに発表した「SenSprout Pro」は、IoT技術を駆使した農業用センサーシステムです。このシステムは、農業の生産管理を根本的に変革する可能性を秘めています。日本の農産物生産では、水やりや施肥といった基本的な管理が作物の品質に直結しますが、従来の方法ではこれらの管理の効果を客観的に測定することが非常に難しいものでした。
栽培管理の必要性と高齢化の現実
日本の農業は高齢化が進み、65歳以上の農業従事者が約65%を占めています。このような背景から、これまでの栽培ノウハウのデータ化と次世代への承継は、急務となっています。SenSprout Proは、過去のデータを基にした栽培管理を可能にし、経験を持たない作業者でも安定した作物の収量や品質を確保する手助けをします。
独自の技術と構造
SenSprout Proは、プリンテッド・エレクトロニクスを活用した低コストの多様なセンサーを搭載しています。測定器とセンサー部分は分離されているため、環境や農場のニーズに合わせてセンサーを交換することが可能です。これにより、農業法人や研究機関の要求に柔軟に対応し、実際に必要とされるデータを確実に収集できます。
実証実験の成果
2015年から開発が始まったSenSprout Proは、累計約300台の土壌センサーが国内の20箇所以上の農業生産法人や個人農家、研究機関に設置されてきました。実際の運用では、多様な作物に対して水分と土壌の状態をリアルタイムで把握し、水はけ条件の異なる圃場での灌水の効果測定にも成功しています。
使いやすさと新機能
SenSprout Proの特徴として、簡単に設置できる土壌センサーがあります。ボタン一つで計測が開始でき、複数深度の測定も1台で行えます。また、通信面でも920MHz帯を使用し、作物の影響を受けにくく、長期間の運用が可能です。データはリアルタイムにグラフ化され、生産管理者が一堂にデータを共有する機能も備えています。
クラウドサービスでのデータ解析
SenSproutのクラウドサービスでは、取得したデータを解析し、スマートフォンやPCでリアルタイムに確認可能です。手間のかかっていた土壌環境のチェックが遠隔で行えるため、見回りの頻度を減らし、効率的な農業運営を実現します。加えて、CSV形式でのデータダウンロードが可能で、さらなる分析にも対応します。月額1,000円で利用できるため、普及が期待されます。
まとめ
SenSprout Proは、農業の収益性を向上させるための強力なツールです。農業従事者と次世代の農業へ持続可能な技術を提供するこのシステムは、農業界に新たな風を吹き込むことでしょう。さらに、農業法人や研究機関による幅広い導入が進むことで、日本の農業の未来に貢献するはずです。
会社情報
- 会社名
-
株式会社SenSprout
- 住所
- 東京都港区芝2丁目16-7KTTビル2階
- 電話番号
-
03-6453-8667