カーボンニュートラルを目指す樋口製作所のプレス加工技術の革新

カーボンニュートラルへ向けた新たな挑戦

近年、地球温暖化対策としてカーボンニュートラルが重要視されており、あらゆる産業でCO₂削減が求められています。その流れの中、特に自動車産業は厳しい基準をクリアすることが急務です。株式会社樋口製作所は、金属プレス加工の専門企業として、カーボンニュートラルに向けた取り組みを強化しています。

プレス加工技術の優位性

樋口製作所は、金属プレス加工の技術を駆使して、CO₂排出量を大幅に削減する製品開発に成功しました。これまでに実施してきた具体的な取り組みを以下に紹介します。

1. 溶接レスによる部品の統合

自動車部品の製造工程には、通常、部品同士を接合するための溶接工程が含まれます。この工程は多くの電気を消費し、大量のCO₂排出を招きます。樋口製作所では、2部品を1つの部品に統合する「プレス絞り」技術を導入し、このプロセスを実現しました。

この新技術により、CO₂排出量をなんと62.9％も削減することができました。従来の製造工程と比較して、エネルギー消費が大幅に低下したことで、環境負荷を抑えた製品を市場に投入できるようになったのです。

2. 部品軽量化による製品の重量低減

さらに、樋口製作所は部品の軽量化にも取り組んでいます。自動車部品で広く使われている高張力鋼板を使用し、「シゴキ絞り加工」を施しています。このプロセスでは、部品の側壁の厚みを1.6mmから1.0mmに減少させることに成功し、同時に強度が必要な箇所の厚さは維持するという配慮も行っています。

その結果、製品の重量を65％も削減することが出来、軽量化によっても燃費向上やCO₂排出量の削減に寄与しています。